名古屋の解

名古屋でワンマンをやるなら絶対ell.にしたかった。

『デラ・黒田』という男がいる。言わずと知れた名古屋が産んだスーパースター『ピストルモンキー(ズ)』の初代ギタリストであり“駅とブランコ〜恋のステイション〜”を作った男だ。彼のホームがell.であり、同世代のツアーをしていたバンドマンであればell.に出ることは夢であり登竜門であり、通過点だ。そこには『シゲ(重)さん』という、バンドマンからしたら天上人、総理大臣より全然エラい人がいて、シゲさんに認められたらもう、売れたとか売れないとかじゃなくて、なんか勲章をもらったような。名古屋のライブハウスシーンを一代で築き上げた人。

僕はピストルに関わる前から、ell.でお抱えだった『CINNAMON』というLedZeppelinの完コピバンドがいて、横浜・東京方面のCINNAMONのライブである意味専属で照明をさせてもらった縁で、シゲさんに近づけた(バンドでは1mmも近づけなかった)。初めて打ち上げに参加させてもらった時は「(焼酎の)お湯割はお湯から入れろバカ!」と怒られたのを覚えている。

先に言っておきますけど、シゲさんはまだ御存命です。ピンピンしてます。

その後、ピストルでツアーでell.SIZEに出た時、デラがシゲさんに「ただいま!」って言ったのは、今思い出すととてもエモい。その時は結構お客さん入ってシゲさんに「次は下(FITSALL)だな」って言ってもらえた時は嬉しかった。さらにそのあと、miyumiyuのアコースティックツアーでまたell.SIZEにでて、スッカスカで「出直してこい」って言われたり。

今はそういう時代ではないのかもしれないけど、僕らの時代はこういう感じで、時代が今になってもその関係は変わらなくて。それいいのかどうかわからんけど。ここちはよい。

だから名古屋は避けては通れない。いや、全然避けて通れるんだけど。むしろ避けて通ったほうが楽なのでは?とか。でも、なんかこう…大事っていうか。通過したい。ヌュには曲を作ってきた人たちが踏んだ「板」を踏んで欲しいという完全なる私情が絡まっています…。って、ここまで書いて気がついたけど、ピストルもmiyumiyuもFITSALL出てないじゃん。まぁell.ってことで。。。

シゲさん観てくれるかな。そもそも来るかな。


2020年1発目。いいライブになりそうな気がする。


ちなみに、デラ・黒田は現在魚屋でマグロを捌いています。

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