汽車とパン
とある用事で仕事帰りに実家に帰ることになった。いつもは車だけれども、今日は電車で帰ってる。
電車と言っても電化してないのでディーゼル車だ。
子供の頃は汽車と言っていた。
久しぶりにのる汽車
いつもは10両以上ある電車にのってるけど、実家に向かう汽車は2両
少し前に一新してきれいな車両になっている。
子供の頃、僕は鼻が悪かった。
だから、土曜の昼から学校終わりに母親と一緒に汽車に乗ってマチの病院に行っていた。
父親が朝、仕事前に予約をしてくれ、姉は家の留守番をし、母親とマチに向かう日々。
治療は特に辛くはなかったけど、毎回塩水を鼻に通して治療をしていた。
治療の後は駅までのミチミチで商店街の中にあるパン屋さんでパンを買って帰る。いろんなパンがケースのなかに入ってる。光の加減でキラキラしてるパンやチョコが今にもはみ出そうなパン。そんなパンたちを毎回選んで帰りの汽車で食べるのが僕の楽しみだった。
母と二人で座りパンを食べるかえりみち
家では僕を含め父や姉の世話をしてくれる働き者の母。
でも、病院からのかえりみちは僕だけの母だった。パンを買うのも、汽車に乗るのも楽しみだったけど、僕は母を独り占め出来る時間がたのしみだったと、一人車内でなつかしむ。
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