見出し画像

北に流れる川

子供の頃から南に流れる川を見て育ってきた僕は川は南に流れるものだと思っていました。でも当然のことですが、地形に応じて川は流れているんですよね。兵庫県の日本海側では北に流れ、東北地方では概ね東や西に向かって流れています。当たり前のことだけど、なかなか肌感としてつかめない所です。ただ、いろんな地域によって川が流れる方向は違うことは理解できたし、自分が住む播磨地域は瀬戸内海が南にあるので、川は南に流れているものと思っていました。

でも、あったんです。北に流れる川が・・・・・
稲美町を流れる「曇川」って川です。

昔、仕事で稲美町の区画整理を携わっているときに曇川を知りました。
稲美町に行くには明石から海と反対側に走っていきます。海が南と思っている僕には北方向なんですね。で、稲美町に着いて付近の川を調べていると明石と反対方向にながれる川があったんです。

「なんじゃこれは?」
「川が北に向かって流れとる・・・・」

僕はその不思議な光景を理解できませんでした・・・。播磨地域で北に川が流れているんです。もう訳がわかりませんでした。
訳が分からないまま下流をたどっていくと加古川にぶつかりました。

「あれ?加古川に着いちまった」
「加古川って明石の隣じゃないの?」
「明石の西隣は加古川でしょ」

でも、地図をよく見るとわかるんですよね。
明石の西側は海なんです。
曇川は北じゃなく北西に流れているんです。
加古川は明石の西隣ではなく、稲美町の西隣りなんですね。

で、曇川はなぜ北西に流れているのかというと、地形的に台地になっていて、加古川の南東に位置しているからなんですよね。
ここでも、加古川の傾いた流れに騙されました・・・・。

地図を45度傾けてみました。
曇川はちゃんと西に流れ、加古川は南に流れている。
そして、JRや幹線道路は東西、南北に向かっているように見えます。

自分の常識は世間の常識ではない。
加古川の川の流れはそんなことも教えてくれました。

全部で826文字でした。(タイトル除く)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?