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「流しのこたつ」から見えたもの

今日のツールは「こたつ」

今日は大阪で「公共空間の自由使用」について考える、PUBLICSHIP SCHOOLに参加してきました。PUBLICSHIPSCHOOLを主宰されているは「水辺のまち再生プロジェクト」さんです。

●今回のイベント詳細

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●PUBLICSHIP SCHOOLとは?

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今回は「流しのこたつ」の大島亮さんと奥井希さんが講師でした。「流しのこたつ」とは、こたつを屋外に持ち出し気持ちいい空間を楽しむ活動です。ときには通りすがりの人に声をかけて入ってもらい、こたつを囲んで談笑することもされているそうです。


まちに「こたつ」を広げたら

まず、大島さんと奥井さんからこれまでの活動や、なぜはじめたのか?をお聞きしました。そのあと、今回のために用意していただいたマイこたつをそれぞれ持って実践が始まりました。
実践にあたって一人では難しいという配慮のもと、二人一組でまちなかでこたつを広げてみることになりました。僕のバディは大学4年のかわいい女性でした。

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今回僕たちが「こたつ」を広げた場所は2箇所でした。
1か所目は「橋の下のくぼみ」
2か所目は「神社の入り口」

(1か所目)橋の下のくぼみ
ここは昔からかかる古い橋。大正4年に架けられ、パリのセーヌ川にかかる橋を参考にして設計されたらしいので、さまざまな意匠が施されています。僕たちは橋の側面の中心部分に大きな”くぼみ”を見つけました。
「ここに入ったらおもしろいんとちゃうん?」
と言って、二人でいそいそと入りました。

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入ってみて思ったのは、閉鎖性からくる圧倒的な安心感。かなり攻めた場所に入ったにも関わらず、すごく落ち着きました。

また、この橋のたもとには公園があるので、橋の横には公園に向かう階段がありました。その階段がちょうど僕たちの視界の斜め前に入ったので、通りすがりの人たちにも時折り声かけをすることが出来ました。

声かけの成果はというと、結構な確率でみなさん声かけに応じてくれました。中には「きゃーかわいー」と言って向こうから声をかけて下さる方も。たぶん、僕の相方さんが女子大生ということもあり、ありえない場所にいる彼女のおさまりの良さがそうさせたのだと思います。(明らか、おっさんの僕を見て声はかからなかった)

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二人は「こたつでかしパ」というタイトルを掲げお菓子を食べていましたので、興味を持っていただいた方に「お菓子いりますか?」「一緒にこたつに入りませんか?」と声かけをしました。結果、誰も入ってくれませんでした。面白いし楽しそうだけど、そこに入る勇気は流石にない。そんな感じでした。

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(2か所目)神社の入り口
神社の入り口にふと空いているスペースがありました。ここは歩道なのですが、手前でベビーカステラの屋台が通りを塞いでいたので人が通る気配はまったく感じられませんでした。さすがにここは大丈夫かな?と半信半疑の二人でしたが、ここも意外に納まりがよかったです。

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ここでも声かけをしましたが、立ち止まってお話してくださる方はいませんでした。まあ、滞在時間が少なかったというものありますが。


「流しのこたつ」から見えてきたもの

僕は水辺のまち再生プロジェクトさんたちがやっている「公共空間の自由使用」というものに共感を覚えます。

彼らが始めたクランピングも自分たちのまちでさせてもらったり、地元の商店街の一角にある感じのいい机(僕はIPS(イケてるパブリックスペース)と言っています)で一杯ひっかけたり、まちなかでオセロをしてみたりしています。

オセロは飛び入り参加はありますが、他の活動は飛び入り参加はありません。(まあ、積極的に声かけしている訳でもないので)

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↑クランピング

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↑IPS

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↑路上オセロ

①歩行者との視線で考える
「クランピング」も「IPS」も歩行者に対し背中を見せているので、基本的に閉じています。それに対して、「オセロ」や「こたつ」は視線の先に歩行者がいるのでいつでも開いている感じがあります。また、こたつは目線が下にあるので、不意に目が合うことが少ないです。不意に目があうとお互いドキドキするので、そういった危険性も回避しているように思います。こういった、人に対する視線のデザインも大切だと思いました。

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②歩行者が利用している場所で考える

今回は「こたつ」を2か所で広げました。一つは「公園」でもう一つは「道路」でした。2か所のうち、立ち止まって声かけに応じてくれたのは「公園」でした。なぜ、公園では声かけに応じてくれたのか?それは、訪れる人たちが持っている“すきま”の時間が場所によって違うからだと僕は思います。

道路とは通行に供するもので移動を主体としています。なので、人々が道路を利用するときに持っている”あまり”の時間は無いのがほとんどです。かたや、公園はたたずみに来ているので、たっぷりと”あまり”の時間を持って来ています。だから、僕たちにその”すきま”の一部を使っても全然かまわないんだと思います。

もし、誰かの時間を僕たちと共有してもらおうとするなら、その人の時間を奪うわけなので、”すきま”を持っている人たちが集まる場所が良いのだろうと思いました。

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③利用環境で考える

今回、公園で「こたつ」を広げたのは僕たちだけではありませんでした。他に広げてた方で数人の人が入ってきた事例がありました。滞在時間の違いもあると思いますが、僕はこたつを広げる場所に違いがあると思いました。
彼が広げているこたつは公園の片隅ですが、非常に開いている空間です。かたや僕たちは場所的に面白いかもしれませんが、一般の人からしたらハードルが高すぎて入りずらさを感じます。
もし、誰かを招きたいのであればハードルを下げてあげるのが非常に大事だと思いました。

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まとめ

まちの”すきま”を共有する
個人的にまちをいろいろ見ながら、こんな事したら面白いかな~といった、まちの”すきま”を見るのが大好きです。

今回、橋のたもとの”くぼみ”を見つけた時は最高に嬉しくて、みんなに入って欲しいと思いました。ただ、あらためて見るとかなりハードル高いですw
見ず知らずの人は入りにくいですね。開いているようで、めちゃくちゃ閉じています。

まちの”すきま”を探すのは面白いし大好きだけれど、誰かに「それオモロイやん!」とも言って欲しいところもあります。その時、誰にどうやって共有するのか?そんなところが勉強になりました。

時間の”すきま”を共有する
今回、他の方たちと一緒に実践できたのも面白かったです。
場所の属性って非常にあると思い、道路を利用する人、公園を利用する人でその人が持っている時間の余裕(すきま)が違うと思いました。
これから”まち”を見る時にその場所が持つ機能、そして利用する人の持つ時間の”すきま”を見ていくのも面白いと思いました。そして、だれかと何かを共有するときには時間もデザインすることが勉強になりました。

共有する人と行動する
まちなかでこたつを広げるには正直言ってかなりハードル高いです。でも、今回楽しく回れたのは、バディの女子大生さんのおかげでした。そこそこ攻めた場所でも一緒に座ってくれたし、そこでの会話も楽しめた。そして、周りから見た華やかさ、受け入れやすさが断然違います。

一人より二人、男性と女性、おっさんと女子大生

全然交わらない二人が偶然交わって、まちの片隅でこたつを広げて談笑している。一見アンバランスだけれど親しみが持てる(自分で言うな(笑))二人だったからこそ、”まち”も受け入れてくれたのだろうと思います。

そういう意味ではやっぱり誰と共にするか?は非常に大事だということが勉強になりました。

そのツールを使ってどんなシーンをつくりたいか?
クランピング、こたつ、オセロ、IPS
どれも結局ツールなんですよね。

それを使って自分たちはどんなシーンを作りたいのか?
・自分たちだけで楽しみたいのか?
・楽しみを広げたいのか?
・広げる方法はどうするのか?
・楽しむ、広げるの時間は考えているか?
・周りとのバランスはどうか?

めちゃくちゃ考える必要もなく、気軽に行動すればいいんだけれど、何となくどんなシーンを作りたいか?をイメージしながら”まち”を使うことが大事なんだろうと思いました。

最後に、「こたつ」の製作者の大島さんがおっしゃいました。

今回、みなさんに「こたつ」をお渡ししてこの遊びが広まったことは嬉しいです。でも、あくまでそれは僕たちがお渡ししたもの。みなさんが思い思いにまちでどんなことをしたいのか、それがどうやったらできるのか考えてみてください。

『公共空間の自由使用』とは”まち”を自分事にする活動だと思います。そういった意味で、大島さんがおっしゃるように、僕たちは「こたつ」を使ってまちにどんなシーンを生み出したいか?
また一つ、面白い挑戦が出来そうな予感がします。

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うれしいっス(*‘∀‘)
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「つかう」ために「つくる」を考える。土木技術者として仕事を通じまちづくりに携わってきました。 でも、まちのこと・ひとのこと・くらしのこと......実はよくわかっていなかった。 だから、仕事を離れ社会に属する一人の人として まちに出て観察・発見・制作・実践をくりかえしています。
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