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歌詞ヲタ発明歌詞②『ヘルプ!(feat.をとは)』&『nothing』

前回ずとまよの『花一匁』について語り過ぎたやつの続き
今回はこれ

Kijibato-『へるぷ!(feat.をとは)』


一瞬でわかる。
イキヅラそうな人に向けた
イキヅラそうなジャケットで
イキヅラそうなタイトルの
イキヅラそうな曲調で
イキヅラそうな歌詞ですね

だめだめだ バイトできないや

やっぱりね?

病気がちな友だち
推しだけが安定剤
納期との追いかけっこ
お野菜も食べれぬまま大人になった

こんだけ書けばどれかは共感できるだろって感じ

イキヅラいよねぇの曲、はいかに共感を得られるかの勝負です。
周りの皆んなと違うよねぇわかるわかる僕もそう。
って感じ

そこでサビ

ほらきっとこの世界とズレている君と一緒
走馬灯もお揃いにしたいなぁ

最短距離でそれを実現してますね。
それでいて「そばにいたいな」を「走馬灯もお揃いにしたいなぁ」と言い換えるのはいい距離感でめちゃ良いですね。

schoolmizzy-『nothing』

優しくて可愛い曲ですね。
曲の触り心地が素敵で聴いていたのですが歌詞もめちゃ良かったです。

つまんない夜の幻想に
くだらない色を混ぜ込んで
浮かばない気持ち押し込んで
口から出まかせを言う

声に出して言いたくなる素敵な言葉の流れですね。
音も素敵なのですが、フレーズも素敵です。

僕がクゥーと思ったのはここ

綴れないものを溶かして

渡せない重りを背負って
くずれない壁にぶつかって

綴れない物って、綴るか綴らないかじゃないですか、
それに「溶かす」を使う情緒

重りって背負うか背負わないかじゃないですか
それに「渡せない」が浮かぶ切実さ

壁って壊すか壊さないかじゃないですか(J-popに於いて)
それを「くずれない」と形容する健気さ

陳腐めなJ-POPの歌詞で度々出会う
言葉に「歌わされてる」ような歌詞

気持ち→綴る
壁→壊す
重荷→背負う

みたいな言葉に引っ張られてしまうような状況をよくみますが
schoolmizzyさんのセンスか、
適度な距離をとったワードを使うことで、より正直な感じがします。

schoolmizzyさんは心のデッサン力が高い

絵を描くのが苦手な人って、デッサン対象を見ないで
自分の頭の中で描いちゃうじゃないですか。
それで木がアニメっぽくなっちゃったりね。

歌詞でも同じです。目の前の景色や感情をしっかり見つめて
丁寧に言葉を並べていくことがとっても大事です。

それを怠ると
「桜→咲くlove」とかクソみたいなことを言い出します。

重荷→背負うか脱ぎ捨てる以外以外ないですか?
渡したくなるときありませんか?
歌詞を書く時はそこまで丁寧に丁寧に想像してデッサンするように描いてみてください。

曲調も去ることながら、歌詞も素朴で、正直で、それでいてセンスが光る一曲でした。

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