2022年7月某日 袖の要らぬ暑さの中をわざわざ駒場まで出掛けた。風を切らずとも肩を出して歩くことは愉快である。ただ歩き続けるには強すぎる陽気であった。 近代文学館を志してメトロを乗り継ぎ、バスにまで座って、手前の洋館とカフェで滞在は済んでしまった。バスで見かけた中央アジアの親子の、あまりに愛らしい娘と席を替えてやればよかった。黄昏の始まりに店を閉めるカフェの罪深さはことに深い。 シェイクスピアの名を冠されたスコーンを頼んだ。キャラメルとナッツがつけられる。しかしこの水
2022.1.25から 好きだなと思った言葉をただ書き留めていくノート。好きな言葉に遭遇したとき、ふらっと更新されます 昼下がり昼食の時間をまわった、午後まだ早めの時間のえもいわれぬ気だるさと暖かさを、なぜ「下がる」で言い表せるのか判然としないが、どうにも言い得ている。午後の日差しの、朝とも夜とも違う生活の只中にある静けさを連れてくる角度が好ましい。下がるとは何が下がるのだろう。一度上を向いた短針だろうか、南中から降りる太陽だろうか。 一番手軽にあたれる辞書には書かれて
とりもなおさず 2017年6月8日 21:01 のアーカイブです。 * * * 長年の夢だったのです。 テレビで見ている時から、直接見もしないのに愛着がありました。母や恋人に、「それずっと言ってたよね」と言われるほど、口にしていたし思い描いていました。 子どもの頃から、小学生か中学生か忘れてしまったくらい子どもの頃から望んでいたのに、いざ現実にしてみる時は、呆れるほどに唐突だったのです。 仙台でも肌寒くないくらい気温が上がっていた5月。会社員にとってご褒美のよう