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■ダンサー人生[第二十一話]

あなたは、自分の中の「本当の姿」を知っていますか?そして、その本当の自分に変身する鍵を手に入れましたか?誰も知らない、本当の自分に会いたいですか?yesであれば、この話(ストーリー)をヒントに、本当の自分に会う鍵を見つけてください。■■■

 秋風が、田舎の秋の音色を私に運んでくれた。秋は、祭りの盛んな季節だ。こんな季節感のある日、秋風とともに、あの頃のよさこいを思い出す。あの頃の私にとって、よさこいは全てであり、「No yosakoi no Life」だった。私は、よさこいとともに生き、仲間を愛していた。私の周りにはいつも笑顔が溢れていた。あの時も、秋風とともに祭りの季節が始まった。胡弓の悲しげな音色、笠を使った演舞。そして、日が沈み、夕暮れになると村中の人々が、集まり祭りが始まる。私達のチームは、この地で、かなり有名になった。私達は、よさこいの演舞を祭りのイベントで披露した。地元のまつりに敬意を示し、よさこい演舞を地元の祭り踊りに近いアレンジをしたことで、話題を呼んだ。私達の衣装もこの村の雰囲気に溶け込み、地元の皆さんからあたたかい声をかけていただいた。地元の新聞紙に演舞の写真が掲載されることは毎年のことだったが、地元商店街に設置のプリクラの背景が私達チームの写真に変わっていたことには、チームメンバーも喜び、あの弾ける笑顔を今でも鮮明に想い出す。私は、この村にずっと前から住んでいたかの錯覚を覚えるほど、安心感や幸福感を思いっきり感じた。この村に対するそんな感情は、あのときからだろう。きっと、チームメンバーもあのときの想い出が一番だったのだろう。
 みんなで涙した、想い出の夏も過ぎ去り、いつしか、丸まった落葉の転がる音とともに秋風が私の耳元をかすめて行く。私の脳裏には、あの村の祭りの音色が確かに聴こえていた。

◆本当の自分に会うポイント◆      ① 私は、「この人たちの為に、踊りたい」そんな気持ちが芽生えた。踊り子になってから始めての感情だ。

② 夏が去り秋が北の方から下ってくる。村の、人々とともに祭りを盛り上げる。人のために演舞させていただける喜びを感じる。

第二十ニ話に続く

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