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■ダンサー人生[第四十七話]

あなたは、自分の中の「本当の姿」を知っていますか?そして、その本当の自分に変身する鍵を手に入れましたか?誰も知らない、本当の自分に会いたいですか?yesであれば、この話(ストーリー)をヒントに、本当の自分に会う鍵を見つけてください。■■■

■ダンスレベルの格差

 ダンススクールへの体験入校の日が決まった。「ダンススクールでダンスが習える」子どもたちは、朝からワクワクしていたに違いない。ダンススクールは、大都市にあった。大都市に来たことによる興奮と、ダンスを習うという、新しい事ばかりのこの状況に、興奮しないわけがない。子供たちばかりか、私達夫婦二人とも、そんな子供の様子を見て、嬉しさが溢れた。「今日からここで、ダンスを習うんだ。」私達の夢への旅路はこの日からスタートした。体験入校の開始時刻は、午後2時からダンススクール2階のスタジオ内で始まった。はじめに、入校に際し説明会が始まった。体験入校は、数日間、数回に分けて行われた。やはり、かなりの人気で、定員が埋まりつつあった。私達家族は、すでに入校を決めていたため、すぐさま手続きを行ったが、その数日後には、定員に達したほどだ。体験入校に来ていた、他の子供たちは、すでにどこかのダンススクールに通っていたのだろう。ダンスファッションも上から下のシューズに至るまで整い、都会センスが輝いて見えた。私の子供達は、単に運動できる程度の服装で来ており、明らかに都会の子どもたちとは、差があった。幼稚園に通う年長の長男は、他の子供たちを見て、帰りたいと言い出した。おそらく、周りの、同年代の子供たちの、ダンスファッションやスクール慣れしている感じに、少し怖くなったのだと、そう感じた。ダンスシューズを履こうとしない長男に、スクールの先生が声をかけてくれた。「一緒にスタジオに行こう♪」渋々ついていく長男。スクールの先生は、私達に、「家ではダンスしてますか?」の問に「はい、いつもは曲をかけると踊ってますよ。」と答えた。すると先生は、優しい微笑みで、私達に、「でしたら、大丈夫ですよ。すぐ慣れますよ。」と言ってくれた。私達は、とても安心感に包まれた。新しいことへの出会いと慣れない雰囲気に、何気に緊張していた。肩に入っていた力が、この瞬間に、とろけたのを感じた。きっと、子供たちも同じように、緊張しているのだろうと思った。この日担当していた、ダンスインストラクターの先生は、有名アーティストグループの振付をしているプロダンサーの方だった。「やっぱり、このダンススクールはすごい。」世間知らずの私は、世の中の現実に改めて驚き感動した。本格的なプロダンサーの養成スクールとは意識していたものの、有名なアーティストの現役振付師であり、プロダンサーでもある方が、年長さんに指導してくれている。私は、都会のプロダンサー養成ダンススクールのレベルの高さを改めて実感した。

 私が、「プロダンサーになるには」という書籍を発刊するならば、私は、この体験を必ず執筆することだろう。         私達家族は、確信した。         「子供達は、ここで夢に向かって自走する。」未来の映像が私の頭の中に一瞬、浮かんだ。

💚人を愛するポイント💙         ●子どもたちの可能性は無限大。「どんなことだってできるんだよ。」と私が子供達に伝えるのは、この一言だけだ。

第四十八話に続く

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