ここは何処?私は誰? 第四話
晴天日に夜空を眺めると、たくさんの星がキラキラと輝いて見える。
とっても幸せな気持ちになる。それは、なぜかと言うと、その輝きは、ただの光ではないからだ。私が目にする星の輝きは、遥か遠く何万光年も先のところから、地球の上の私の目に届いた光。
その何万光年も先の星から放ち、また、反射した多くの光の粒子は、私の目に届くまでに、隕石や星、そして、塵、雲などに遮られ、少なくなっていき、残ったその一部が私の目に届いた。
つまりは、遥か彼方から届いた光の粒子を目に入れた瞬間。私は、数万光年前の景色の一部を観ているのと同じように感じる。
私はそう感じている。
さらに、私は毎週末に、昔から奉られ、地元民から愛され、利用されてきた湧き水場所に水を汲みに行っている。
湧き水は、ずっと以前に降った雨が、山から平地へ地下水脈を通り、湧き水場所にたどり着いたもの。
どれだけ遠くの距離から、そして、どれだけ深い地下から、届いたのか。
手にすくう水が指の間から、漏れ出すように、山に降った雨水は、そのほとんどが途中に、どこか別の場所に行き、ほんの一部が、この湧き水場所に到達する。
私がいただいている湧き水は、とっても貴重で、尊いもののように、私は感じている。
そのように、神秘性さえ、私は感じている。
これらのことは、ほんの一部のこと。
私たちは、多くの奇跡によって、幸せを与えられ、生を支えられている。
そして、
奇跡的に生き、奇跡的にこの世を去っていく。