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APAMANから読み解くCVCに必要なVC的投資姿勢

近年上場企業や大手企業によるCVCの設立が活性化してきた。

一方で、CVCの彼らはVCやエンジェルとは異なり投資事業への知見も少なく、投資部門はあるが体制としては不十分のところもあり、苦戦を強いられているところも多いのではないのだろうか。

今回は、そんな国内でスタートアップ支援を行う企業の中でも積極的に活動しており、”CVCのあるべき姿”として成功しているAPAMANを事例にあげて、CVCの設立から投資までの戦略について考察していく。
これからCVCの設立を考えている、あるいは任されている人々に読んでいただきたい。

**APAMANとfabbitについて **

アパマンショップ。CMでもよく見るあの不動産賃貸の会社だ。2018年に社名をアパマンショップホールディングスからAPAMANに変更している。これは、グローバルへの挑戦という心情の表れでもあるだろう。

そんなAPAMANグループだが、ここも近年CVCのようにスタートアップへの出資や支援を行っている。
APAMANグループの100%出資子会社でもあるfabbit株式会社(https://fabbit.co.jp/)がその役割を担っている。
fabbitは、2017年4月3日に設立された会社である。スタートアップ向けにコワーキングスペースを運営している。
fabbitを中心に戦略的投資を行っているAPAMANグループ。事業セグメントの一つにシェアリングエコノミーがある。そして、そのシェアリングエコノミーにおける売上を「投資と買収」という2軸を走らせることにより、実現させようとしている。買収に関しては、自社サービスであるコワーキングスペース(現在国内23、海外12拠点)と類似あるいは関係企業を完全買収して、規模の拡大(300拠点目標)を図っている。
投資においては、APAMANの経営資源の最大化を図っている。

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一般的にCVCの特徴としては、すでに持っているリソース(ビッグデータや人材)をスタートアップに提供することで、スタートアップの成長スピードを爆上げする。結果的に事業シナジーも得られるという支援体制を基本としている。

もちろんCVCを持っている会社自体でも新規事業として新しいサービスを始めることもできるが、より短期的に利益に結びつけることを考えると、考案していた新規事業に類似しているサービスですでに取り組んでいるスタートアップにデータ提供や人材リソースの支援をする方が何倍も楽かつ早いのだ。
スタートアップに提供できるリソースの量と質こそが大手企業の強みでもあり、スタートアップにおいても資本業務提携といった支援はありがたいスキームの一つである。

さて、APAMANの簡単な紹介はここまでにして早速事例を見ていこう。


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・APAMANの土台作りからわかるCVCが設立前に意識すべきこと
・APAMANの投資スタイルから学ぶCVCの投資戦略
・重要なのは“誰”がやるか<創業社長だからこそのエコシステム>
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