Spinoza Note 59: 神は単一の idea を持つ

第2部の定理3と4は、神が自身と彼から生じたすべてのものについて、単一の idea を持つと述べている。原文と訳(高桑によるもの)を並置する。

PROPOSITIO 3
In Deo datur necessariò idea, tam ejus essentiæ, quàm omnium, quæ ex ipsius essentiâ necessariò sequuntur.
神のうちには、神の本質の、ならびに神の本質から必然的に生じてくるあらゆるものの観念が必然的に在る。

PROPOSITIO 4
Idea Dei, ex quâ infinita infinitis modis sequuntur, unica tantùm esse potest.
神の観念は、そこから無限に多くのものが、無限の仕方で生じてくるけれども、唯一でありうる。

文章がわからない。表にして、それぞれの定理の右に証明で参照されている他の定理を置く。言及されている定理や定義が7つあり、うち6つが第1部からだ。

神は単一の idea を持つ 定理3と4(高桑訳)

神が自身について抱く idea は 神の immediate infinite modification である。(第1部定理21より)。immediate infinite modification は直接無限様態と訳される。その意味は次の通り:

様態は大きく分けて二種に分けられる。一は無限様態であり、他は有限様態である。前者はまたさらに二種に分けられる。一は直接無限様態であり、他は間接無限様態である。直接無限様態は神の属性の絶対的本性から直接生じてきたものである。たとえば、思惟の属性においては絶対無限知性であり、延長の属性のもとでは運動と静止である。

工藤喜作 スピノザ (1980) p.123

これらの定理が直接無限様態を説明していると理解すればよいらしい。用語をみても、何かを理解できた気がしない。


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