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残念な名づけーーメガロス、モンベルなど
一郎、三郎、嘉助、耕助、悦治、勇治、佐太郎、五郎、良作、…
宮沢賢治『風の又三郎』に出てくる子らの名前である。又三郎を含め、訓むのに困る名は一つもない。
先日孫の迎えで水泳教室に行った時のこと。壁一面に級別の名札が貼られていた。孫の名を探すつもりで見始めたのだが、そのうち目の奥がジーンとなって、見続けられなくなった。
しばらく目をつむってから見直すと理由が分かってきた。八割ほどの名が難読で、すんなり訓めず、いちいち視線がひっかかって渋滞するのだ。
軽いめまいに堪えながら、「病んでいる」とつぶやいていた。これほどまでにユニークさを求める衝動はどこからくるのか? しかも本人でない人間が求める…
格差という大状況に圧倒され、ストレスという砥ぎ粉で個性をすりつぶされる親たちの可憐な自己主張か? 児童虐待とキラキラネーム増加の並行現象(因果関係ではない、もちろん)が気になる。自己主張といっても「自己」ではない。一生背負わされるのは子供である。
長い人生、会う人すべてに自分の名を間違いなく訓んでもらえる幸せは得がたいものなのに。
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MEGALOS。わが町にも存在する大きなスポーツジム。以前からこの名前のひびきが気になってしょうがない。
MEGALOS
メガロス
mega loss
巨大損失
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mont-bell といえば THE NORTH FACE と並んで、いまやアウトドア製品・ウェアの超人気ブランド。プロ仕様から街着までをカバーするから、ふたつのロゴを目にしない日はない。ユニクロにしか手が届かない貧窮老人には高嶺の花だが、余裕があったとしても手を出したくない理由がある。
気になるのは mont-bell というロゴ。創業者はHPで「美しい山」と語り、ネット上には mont は山、bell は美しいを意味するフランス語(!?)との解説まで。
montはフランス語だが、フランス語に bel や belle はあっても bell という単語は存在しない。bell が英語だとしたら、もちろん、「美しい」の意味はない。
海外拠点もいくつかあるようだが、はたしてアルファベット圏での人気はどうなのか? 少なくともユニクロの盛況が話題になるほどにはモンベルのそれを寡聞にして聞かない。
自分は昔から人が着ているロゴTシャツを見るたびにミススペルがないか妙に気になるたちだった。見つけるたびに、内心ドキッとし、他人事なのに赤面(?)し同情したものだった。
日本人の自分でもこうなら、アルファベット圏の人たちはなおさら敏感なのではないか。uniqlo のように明らかに造語と分かるものは受け入れても(そもそも契約プロのウェア以外には製品にロゴを表示していないはず)、mont-bell という無国籍でミススペルぽいロゴを身に着けるのには相当の抵抗があるのではと想像する。
歴史と実績のあるブランドであり、おいそれと変えられないのは分かるが、じつに残念な名づけである。
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