債券の利率はどう決まるの?【お客様からの質問シリーズ⑳】
こんにちは
ウェルスパートナー(https://wealth-partner-re.com/)で富裕層向けIFAをしている藤村大星(https://twitter.com/wp_fujimura)と申します。
債券の利率は分かるが、どうやって決まるのかは知らない方は多いのではないでしょうか。
実は同じ発行体でも利率が異なることもあります。不思議なことですが、理由はちゃんとあるので、今回は「債券の利率の決まり方」について書いていきます。
(1)利率はどうやって決まるのか
利率は「国債利回り+上乗せ金利+経済状況」で決まります。
この3つの要素を足して決まるため、同じ発行体でも債券が発行された時期の様々な要因によって利率が異なります。言葉だけでは分かりにくいので各項目ごとに深掘りしていきます。
(2)利率の決定要因
債券の利率は主に以下の3つの要因で決まります。
・国債利回り
基本的に債券発行時の国債利回りが高いと利率は高く、低いと利率は低くなります。
よって同じ発行体(上乗せ金利が同じと仮定)でも債券が発行された時期によって国債利回りが異なる場合は利率が異なります。
参考にする国債利回りはドル建て社債であれば米国債になり、基本的にはその通貨を発行している国の国債利回りになります。
・上乗せ金利(スプレッド)
国債利回りなど基準となる利回りと、社債利回りとの差を言い、
発行体の信用リスク(安全性)の高さと債券の流動性によって以下のように異なります。
・発行体の信用リスクが低い(安全そうな発行体):上乗せ金利が低い
・発行体の信用リスクが高い(危なそうな発行体):上乗せ金利が高い
・債券の流動性がある(取引量が多く売りたい時にすぐに売れる):上乗せ金利が低い
・債券の流動性がない(取引量が少ないので売りたい時に売れない):上乗せ金利が高い
発行体の信用力が高ければ倒産リスクも低いので、低い利率でも債券を買いたい人がいますが、信用力が低い企業は倒産リスクも高いため、高い利率を払わなければ債券を買いたい人が現れないです。
信用力を示す指標としては、格付けを参考にしましょう。
格付けについては以下記事を参考にしてください。
・経済状況
経済状況も債券の利率に大きく関係してきます。
リーマンショック後やコロナショックの最中など、企業の信用リスクも高まるので先行きが不透明な中で積極的に投資する人はごく僅かだと思います。
経済状況が悪い中で債券を発行すると、利率が高くなければ資金調達が困難になります。
よって発行体の信用リスクが低くても、経済状況次第では利率は高くなることもあります。
(3)まとめ
今回は「利率の決まり方について」でした。
発行体の信用リスクが低くても世界経済がパニックの際に発行された債券は利率が高くなるので、利率が高い=危険な債券ではないです。
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