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金利低下が予想できる状況の債券投資のポイントは?【お客様からの質問シリーズ②】

こんにちは
ウェルスパートナー(https://wealth-partner-re.com/)で富裕層向けIFAをしている藤村大星(https://twitter.com/wp_fujimura)と申します。

アメリカの金利は高止まり(むしろ利上げの可能性もある)していますが、今後は下がっていくと考えている方が多く「金利低下が予想できる状況の債券投資のポイントはあるか?」とご質問をいただくことが増えました。
結論から言うと「長期債の比率を増やすべき」だと思います。今回はその理由について書こうと思います。
債券投資の目的はインカムゲインを得るためなので、(1)がメインでついでに(2)も狙える!というイメージになります。


(1)比較的高い利回りで長期間固定可能(インカム狙い)

今後、金利低下すると言うことは、現在のような高い利回りで債券投資ができなくなることを意味します。よって現在の高い利回りのうちに長期債へ投資をし、償還まで保有することで比較的高い利回りで長期間固定できるのは大きなメリットになります。

金利低下を予想する場合は債券が償還した際の再投資先がないリスクがあります。
例えば、平均利回り5%のポートフォリオを構築できたとします。数年後に保有債券が償還を迎えた場合、その時の金利が2%の場合でもインカムゲインを得るためには低い利回りで再投資しなければならず、平均利回り5%での運用が困難になる場合があります。これが再投資先がないリスクになります。

そこで、長期債の比率を高めることでポートフォリオの平均残存期間が伸びるので債券ポートフォリオの寿命を伸ばすことも可能です。
さらに債券ポートフォリオの寿命を伸ばすことで長期的な損益分岐為替の低下にも寄与します。
債券投資の目的が長期的にインカムゲインを獲得することであれば、今のうちに「長期債の比率を増やすべき」だと思います。

(注意)

債券価格の上昇局面は低金利であることが予想できます。値上がりした長期債を売却すればキャピタルゲインをとることはできますが、インカムゲイン獲得のために再投資を検討する場合だと、上記の再投資先がないリスクがあります。インカムゲインが目的で長期債を購入した際には、値上がりしたとしても安易に売却せず、満期まで保有した場合と比較した上で投資判断をしてください。

(2)金利低下による価格上昇も狙える(キャピタル狙い)

債券は金利が低下すると価格は上昇し、金利が上昇すると価格は下落するという性質があり、金利低下に伴う債券価格の変動幅は債券の残存年数ごとに異なります。

以下の図は金利変動した際の残存年数ごとの債券価格の値動きになります。
債券の残存年数が10年、20年、30年の債券がありますが、金利の変動した際は債券の期間が長いほど、債券価格の変動が大きくなる傾向にあります。

金利変動が債券価格に与える影響

残存年数ごとの債券の特徴は以下になります。状況に応じて使い分けることが大切です。

・短期債

一般的に債券価格は償還が近づくほど100に近づいていき、値動きも穏やかになります。金利変動しても償還が近ければ満期まで保有していれば良く、それまでの単価の動きはあまり関係ないからです。

金利低下局面でそこまで値上がりは期待できないですが、金利上昇局面では価格が下がりにくい為、金利上昇局面では短期債を中心に運用することが多いです。

・長期債

満期まで長いほど金利変動リスクや信用リスクにさらされる期間も長くなるので、価格変動が激しくなります。

金利上昇局面では長期債は値下がりしやすい一方、金利低下局面では値上がりが狙えます。更に債券価格が上昇している局面(金利低下局面)では円高になることも予想できますので、債券価格の上昇で円高の相殺も期待できます。
上の図から分かる通りで、期間が長ければ長いほど価格の変動は大きくなるのでキャピタルゲイン狙いで債券投資をする場合も長期債を持つべし!となります。

(3)まとめ

現在はインカムもキャピタルも期待できるため、長期債の比率を増やすべきですが、金利も為替もどう動くか予想するのは難しいです。インカムゲインの獲得を目的に債券投資をする場合はどのような展開になっても対応できるように短期・中期・長期の債券をそれぞれ保有することをおすすめします。

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