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成毛眞 with アトキンソン「日本経済×中小企業の未来」


「日本経済×中小企業の未来」
https://newspicks.com/live-movie/1928?from=web_video_banner

成毛眞さんと著書で話題となった、デービット・アトキンソンさんの対談。
私もデービット・アトキンソンさんの著書は何冊か拝読させて頂いたし、かなりの賛否両論を巻き起こした内容だったように思う。

今回の対談もその著書内容を概ね踏襲した内容で話されていた。

タイトルにも「中小企業の未来」とあるが、
・日本の労働人口はどんどん減って行く
・高齢者人口はどんどん増え、医療費・年金負担は増えていく
・GDPは労働人口×生産性のため、生産性を高めないといけない
・大企業の生産性は世界的にもそれほど目立って低くはないが、中小企業の生産性がとても低い
・日本の99.7%は中小企業。労働者の約70%は中小企業で働いている
・中小企業の生産性を伸び余地もあり(これまで何もしていないので)ここに注力すべき

というのが大きな流れの話である。

そしてここから先が物議をかもしてきた内容で、著書とこちらの動画の内容を抜粋すると
・日本の中小企業の単位は小さい(この動画によると3.4人/中堅企業でも41名程度。ドイツの中堅企業は90名前後)
・3.4人ではDX含めた生産性向上の改革もやる余地がとても小さいしやりようがとても少ない。(10人ぐらいからはできるようになってくる)
・また海外に打って出ようにも規模が小さすぎる(中堅企業)

という話である。
著書では中小企業の規模の平均をあげるべく、中小企業に対する施策を減らし、本当に強い会社だけを残すことで企業規模は必然的に大きくなり改革の余地が生まれ生産性が高まるという考えを持っていると思うが、動画では触れられなかった。

さて、表現が面白く私自身も納得した話が2つ。
1つは日本経済の復活させるには、紙幣を刷る方法だったり、財政出動を増やすなどの話などの議論も盛んに行われているが、根本は生産性を向上させ、国際競争力を高めたり、内需の消費を増やす事が本質だという話。

動画では、紙幣を刷る、財政出動などは「ドーピング」と表現しており、生産性向上を「トレーニングによる筋力向上」と表現していた。

つまり、ドーピングをしても持続的な国力の増強にはならないという点はその通りの話で、グローバル化が進む中、世界から買ってもらえる商品づくりや生産性向上を通した競争力強化が王道の戦略なのだからこれは実行しないといけないという話。

2つ目に日本の生産性向上について、一言で言うと「ダサい」という表現を使っていたこと。

自動車を例に出し、日本は輸送手段としてとても優れた自動車を作るが、一方、一方ポルシェが売れたりする。

当然ポルシェの方が1台当たりの単価は数倍する。

服をとってもユニクロのようなコスパのいい服(デザインにも力が入っていると思うが)があるが、より高級ラインを作ることで高いお金を払ってもらえる可能性がある。

こうした「デザイン力を強化する」といったことも立派な生産性向上となる指摘は考えてみれば当たり前のことだが、意外とないがしろにされがちな指摘だ。

そんなことも含めて、面白く示唆に富む内容だった。


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