ある看護師に聞いた摂食障害とは何か?
ドキュメンタリー映画を作るにあたって
現在公開中の「DieAter2.5 Raging」ですが、こちらを製作するにあたり、様々な立場の医療従事者の方からヒアリングを行い、取材もさせていただきました。グループディスカッションなども行いました。
医師の執筆する本はとにかく目を通し、参加可能なシンポジウムや、講演会には可能な限り参加してきました。これは今も現在進行形です。
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今までも、当事者の話は実に多く聞いてきました。その数は数十名、では足りないです。
交流だけで言えば何百人と関わってきました。わたしのような“どこにも属さない支援者”は珍しいと思います。
その中で、やはり“医療の現場で傷ついた経験”というのは少なくないんです。耳を疑うような話もありました。そもそも摂食障害って何か分からない、という状態で治療を受けた当事者の子も珍しくありません。
しかし、わたしが受けたわけではないんです。その“傷ついた心”には寄り添いたいと感じる一方で、じゃあ医療を責めよう、という気にはなりません。
かといって、静観も出来ません。いったい何が起きているのだろう?それを聞かないことには、何も分からない。そうした思い、それに加えドキュメンタリーとは常に「態度に関しては公平性を保つこと」が重要です。
どのように感じ、どのように考えるかは、わたしやあるいはこれを見た人が各々判断するのでしょうが、始めから偏った位置に降り立っていては、何も見つけられないドキュメンタリーになります。
だから聞きました。なるべく当事者に近いであろう、看護師の方を中心に。
結果感じたのは、もっと多くの人の話を聞かなければならない、という事実ですが、現状わたしが聞いた話を、ここに発表しておきます。
このようなフラットな立場での対話はあまり多くないと思います。何かの参考になれば。
※注意事項※
以下、Aはわたしです。
摂食障害についてお話聞かせてください。
A、摂食障害の方とはどの程度関りがありましたか?
小児科の外来に勤め始めてから、思春期外来には入ったので約5年ですね。
A、5年間の中で特に良く関わったのは何名ですか?
覚えてるだけでも6人いますね。そのうち2人は入院もしました。
A、全員未成年ですよね?
そうですそうです。全員中学生以下ですね。
A、それは嚥下機能性のものでは無く精神的なもの?
完全にそうですね。
まず子供達が病院に受診するのって、もうすでにその段階で、2 3ヶ月以上食べれてない状況なんですよ。
やっぱり最初はなんか学校行かなくなり始めたとか、ちょっと様子を見てたとか、ポツポツと受診したけど、何でもないと言われてそのままにしてたとかという感じなので。
もう親御さん達が、いよいよこれはやっぱり何かあるんじゃないか、と思って来た時には、大体平均して半年ぐらい経ってるんですよね。
A、どのように治療を進める?
その段階でもう、体重が標準より減ってるとかってなってるので、まず最初は身体面の管理のアプローチから入るんですけど。
既に栄養状態がちょっとあんまりよろしくないとかなっているので、本人にはあんまり身体的なことをあれこれ聞かずに、身体をちょっと休めようか、良くしていこうか、という感じで入っていきますね。
A、病院に来る段階では身体症状が出ているということ?
そうですそうです。もう出てます。
親御さん達も、もうどうしようか困っている状態で来ますね。
A、軽度というか初期の最近食欲がないとか、学校が嫌だなあみたいな状況で来られる方は?
それを入れると、もうたくさんいますね。
A、そういう状態でも来るには来る?
来ます。
なので、あ、この子はもうちょっとするとそういうところに入ってくんじゃないかなあ、と思いながら接していたりとか。
出来るだけそこにいかないように、なんとかまた学校に戻っていけないかな
とか、そういう移行期みたいな子達はたくさんいて。
特に昨年感染症がピークの時は本当に増えましたね。
A、摂食障害の場合は医学的に診断基準が様々あると思いますが、そこに満たないグレーという子に関してはどういう見方になるのでしょう?
例えばお腹が痛いってくる子はストレス性の胃痛だ胃炎とかつけたりだとか。
あとはなんだか頭が痛いっていう子だったり、朝起きれないとかっていうのもあるので、中高生の場合、起立性障害だったり低血圧でというような子まで。
そういう子は、更にグレーになるんですよ。
なのでそういう子をわざわざ不登校と決め付けるとか、そういう方向にもいかないようにしたいので、出来るだけ、本当にお話出来るだけして。
その子の中に何があるかな?
というのは引き出さないといけないとは思ってます。
A、起立性障害はわたしも結構聞きましたね。
いますね。本当にいますたくさん。大人にもいますしね
A、関わった6名の方については重度?
段々とですね。
A、グレーから悪化していったケースも?
はいあります。
その6人の中にもいますし、中には本格的に精神の医療センターとかに転院してもらったりとかも。
A、グレーの子が回復していって通院の必要がなくなることも?
そこがすごくあの…小児科としては苦しいところで。
15歳から小児科じゃなくなるんですよ。※ケースによる。
成人の科になっちゃうので、どうしても高校生になる段階で心療内科とかに送らなきゃいけないんですね。
そういう子達は治ったっていうよりも、なんとなく症状が少し減ったっていうような段階で。
一応紹介状も書くようにしていますが。
A、ということは心理的なケアの重要な思春期かつ、女性ならば身体的にも重要な時期に手離すということ?
そうなんですよ。
なので総合病院だと、そこが小児科からもう切り替えなきゃいけないので、先生も変わらなきゃいけないんですけど。
そこがなかなか…自分に合う先生と巡り会えるかというところにもなってくると思うんですよね。
例えばクリニックとか診療所レベルだと先生1人なので、そこは同じ先生が診ていけるっていうメリットがありますね。
A、非常に難しい対応になってしまうことがあると。
はいもう本当に。
例えば発達障害を抱えてる子なんかは、心療内科の先生では対応が難しい場合もあるんです。
精神科医で、そういう発達障害の子の臨床経験もある、児童精神をちゃんと勉強してる、という先生じゃないと。
色々また先生方にも専門があるので。
A、限られてくるのでは?
そうなんですよ。そこがすごくね…
子供のうちからそういう何か抱える子達は、大人になっても
何かしらにぶつかる可能性もあるので。
そこは大きい問題かなとは思いますね。
A、親御さんはどのような状態であることが多いですか?
まず皆さん、どうしていいかわからないっていう状態がほぼ。もうほぼなんですけど。
色んなことやってみたけれど、もうちょっと手に負えない、というような気持ちで来られてると思うんですよね。
親後さんにも色々なので、中にはちょっとネグレクトに近いと感じる方もいたりするんですけど。
ほとんどの親御さんは、どうしていいかわからなくって、病院にもなんとか引きずってやってきたというような状態です。
まず本人が来たがらないですし。病気だと別に思ってないので自分では。
食べないことを選んでるだけであって、多分本人達は不意に何か病気になったというような気持ちでは無いので。
しょうがなく来たというような。子供はそういう気持ちで。
A、母親が連れてくることが多い?
基本はそうです。
また、両親が離婚されているケースもあります。
A、父親に知られたくないというのもある?
そうですよね…ちょっと。
女の子の場合は、お父さんには知られたくないというのもあるかもしれません。
A、当事者の方と接する上で気を付けていることはありますか?
まずそのファーストタッチというか、最初に会った時には、病気で病院に来てるという風にはこちらも思ってないよ、というように接します。
病院だけれども、別にあなたのことを病気だと思ってるわけじゃない、ということは伝わるように接します。
けど今こう体重が減っちゃってるみたいだから、親御さん心配してるねというような。大人が心配してるからちょっと付き合ってあげようか。ぐらいの感じで接するようにしてます。
A、当事者の話を聞いていると、正直なところ医療に関わる中で辛い思いをした方も少なくない印象があります。そちらの病院ではどのような方針なのでしょう?
まず思春期外来ってちゃんとあって。
その先生と私はそこに関わる看護師として、私だけ、私ともう1人とか、特定された人間だけが関わるので。
ちゃんとそういう子はまず事前学習があり、こんなふうに接しようとか。
あとその予約があった段階で、ちょっとした情報を見てこんな風に接した方が良さそうだ、というような打ち合わせもきちんとした上で関わるので。
ただ普通に忙しくしてる外来の中に飛び込んで受診すると、ちょっと雑な扱いにされたりする子はいるかなとは。
ちょっと残念なことですけど思いますね
A、そこの方針の差は何が起因するのでしょう?
そういう先生がいるかいないかだと思うんですよね。ちゃんとその経験をしてきた先生がいて。
私がいた病院もずっとやっていたわけではなくて、ある先生が退職されたらやっぱりもうそこで途切れたりだとか。
A、現場において権限のある医師の存在に左右される?
そうですね。
その先生がいるかいないかで、外来の枠が出来る出来ないとかになりますので。
あとはそこでやってみようと思う看護師がいるかいないかもやっぱり大きく関わるというか。そういうことを、じゃあ私やりたいです、とか手をあげる人がいなければ。
残念ですが、雑な扱いになっちゃう子もいると思うので
A、そちらの病院は熱心なドクターがいらっしゃる?
そうですね。
思春期外来をする先生は、看護師にもそういうこと求めると思うので。
心理士さんも勿論いてのことなので、そこに関わる看護師としても、最低限そういうのは持ってて当然というか。
先生も看護師も多分そういう気持ちで診るのが通常かな?とは思います。
A、当事者の方からはあまりそういった熱意ある対応をしてもらったという体験談を聞かないのですが。
私自身が良い先生に巡り合っていたってことなのかもしれないですね。
でもやっぱりそうやって、他の病院では特に問題ないですと返されてるというのを、何ヶ月か経てうちに来てるケースというのは多いので。
うちの思春期外来は、口コミじゃないですけど、そういうので来るというのも割と地域の中ではあると思います。
A、臨床では実際にどのようなことを?
看護師は子供とも勿論関わるんですけど、基本的に子供は先生と1対1で話してほしいので。私とかは親御さんと30分40分ぐらいお話をして。
親御さんと子供とで分けてまず進めていくのが基本なんですね。情報収集という段階では。
それで後で私とドクターとで擦り合わせるんですけど。
ドクターももちろん、親御さんとマンツーマンで話す機会も設けますし、そういう場合だと1時間半ぐらい時間を取ってもらうんですけど。
A、どんな話になりますか?
親御さんたちがどうしていいかわからない、その中にある気持ちとして、やっぱり家庭で何かしらを抱えているので。
もうこれはもうほぼ100%かなと、私は思っています。
それの内容が、明らかに経済的に困ってるとか、何か家庭内暴力があるとか、そういうような大きな事件になるようなことでないにしても、
本人なりの何かしら人生においての葛藤、それが身体的に出ていると言いますか。
親御さん達は、うちの家庭はそこまであの何か困ってるわけでもないし、経済的にも困ってるわけでもないし、そこまで大変なわけではないと思うんですけどね、と。
けれど子供自身にとっては自分なりにいろんなこと考えて葛藤してるんだみたいな。その親と子の気持ちのギャップとかアンバランスみたいな。
そういうのがすんごく溝ができてるなあというのは前提としていつも思うことですね。
A、親御さんと看護師、当事者と医師、それぞれコミュニケーションを取ったうえですりわせていく?
そうですね、はい。
A、多くの情報と医療者同士のコミュニケーションも重要?
そうですね。カルテにもぎっしり書くので。心理士と同じぐらいの量書くので。すごくそこは大事にはしていましたね。
A、しっかりと時間をとって治療できるのは病院によって異なってしまう?
私は総合病院の中の、大人の精神科にも時々入っていたので。摂食障害じゃない精神科の患者さん達にも接してたんですけど。
お薬だけもらえればいいですというような方も、実際いらっしゃるんですよね。
特に症状も落ち着いてるし、別にそこまで先生に話すことないよ、というような方もいらっしゃって。
そういう方達は確かに5分くらいで終わる人もいますし。
先生の方針もありますし、経営面も。
1日に外来で何人回さないと病院の利益にならない、というのもやはりあるので。そこの兼ね合いかなと思っていて。
先生達が、落ち着いてる人何割、重症な人何割、みたいな感じで常にやっぱ把握をして。
この人には時間かけようみたいなことを考えられる先生だと、そこの辺はうまくいくのかなとは思いますけど。難しいところではありますよね。
A、そういった経営面での方向性は誰が決める?
課長と事務長とで毎月毎月新患どのぐらいだとか、点数がどのぐらいかというのを会議で出すんですけど。
私の病院は大人の精神科の外来は、毎日平日開けて、午前中だけでも30人ぐらい患者さん予約を取っていて。
それが例えば週4日だと120人ぐらいとなるんですけど、その中で新患が月30名とか。
それでも赤字は出てなかったので、大人の精神科はそのぐらいで回ってるんですけど。
子供はまず点数ががなかなか取れないので、ちょっと赤字だと思います。
A、現場の人間が経営的な方針も定めていくということ?
事務方が今月こうですというようなの出してきて、例えばもうちょっと検査してもらわないと赤字ですとか言われたり。
そうですね、現場の人間は「はい、わかりました」というような。
でも児童精神に関しては、看護師もカウンセリング料は取れないので。やるだけ時間を割いてるだけで、お金には全くなってはないですね。
心理士さんはねカウンセリング料って精神科医が認めれば取れるんですけど、看護師は一切取れないので。
A、あくまでも基本給の中でやるかやらないかを個人で判断していくと?
そうですね。
なので周りで一緒に働いている人間の理解もないと難しい。別で小児科は、身体の病気の子とか来てるので。
その隣で児童精神もやってる中で、私が1人が1時間とか関わってる中で、
お隣では病気の子達をどんどん見てかなきゃいけないみたいなのがあるので、その現場の理解も必要で。
A、グレーにいる子たちのケアに必要なものは?
他ではそんな対応(この病院のような)しているのをあまり聞かないというの、実は親御さん達からも言われるんですよね。
もう何回か、別の病院に行ってていても、問題ないと言われて帰されたというような感じで。
なので最初来た段階から、ちょっと医療には不信感を持ってるんです。
あなた達は一体何をしてくれるんだ?
というような態度で来られるので。そこをまずもう。
本当にこれ医療側の問題なんですけど、変えてかなきゃいけないなあという点が1つと。
もうちょっと病院に来る前の段階で何かしらアプローチできないかな、と思っていて。
病院で5年関わってきて、病院に来る前の段階が必要だと思って。思春期保健相談士というのを勉強してるんですけど。
やっぱりそれで地域で何かしらをやらないと、そういう子達とは接することができないと思って。
病院で改善する事も勿論ですけど、病院に来る前の段階がもっと大事かなとは思ってます。
A、スクールカウンセラーに救われた、というこの話は数名聞いたことがありますね。
そうですね。
学校の様子を知らない看護師に、何も話せないと思うんですよね子供達は。
家の事ももちろん知らない、学校のことも知らないというような大人に、何か話そうというふうには、多分ならないので。
お家でいつも何して過ごしてるの?とか、そういうところから入っていくしかないんですよね。
A、医療ではケア出来ない部分も大きいと?
残念ながらそれは私が関わっていて思っていて。関わる先生にもよるとは思いますけど。
関心がない医療者は残念ながら感心ないので。
やっぱりそういうことで病院を飛び出す看護師はたくさんいるのかな、というのは感じてます。
A、事務的にやってしまう方も少なくない?
います、たくさんいます。
患者さんの話を聞けない精神科医も、います。
A、仕事ではある以上、必ずしも望んでそこに居るわけではないと。
そうですねはい。大人もそれぞれなのでね
A、それはどんな職業でも言えることですね。
そうだと思います。
なので医療者としてして、こんなこと言うのはちょっと残念に思う方もいるかもしれないんですけど。
医療者といえども、やっぱり1人の人間で。
その例えば、教師がみんな良い人間かといったらそうでもないように、医療者もそうで。
だから子供達には、いろんな大人がいるとうのをまず伝えたいし。
その中で信頼できる大人も是非探してほしい、というのを言いたくて。
やっぱ病院を出ようというような気持ちにはなりましたね
A、信頼できる大人が一人もいない状態は苦しいでしょうね。そもそも大人の方が子供を信頼していないのだけれど。
そうなんですよね。
本当におっしゃるとおりで。
A、一人の人間というより、子ども扱いをする傾向は、多くの大人に無意識にあるのかもしれません。
そうですね。本当に。
例えば、薬の管理子供にさせた方がいいかな、と思うような親御さんもいますからね。
親に持たせてるから飲み忘れてるなこれは、みたいな。
A、大人が考えている以上に、子供は感じて、そして考えていますよね。
そうですよね。
大体総じて大人の気持ちを読もうとしているし、大体大人のことをちゃんと把握しようとして努めてるので。
子供でいようとするんですよね、大体。
A、役割を担う。
そうですね。
分離した方がいいのでは?というような家庭もたくさんありますよね。今の段階では。
A、医療の中ではそこまで家族介入できる権限もないですよね?
そうなんですよね。
家族看護というような分野もありますけど、精神科の先生も家族カウンセリングとかしたりしますけど、なかなか家庭内のことまで踏み込むには相当な時間も労力もかかりますし。
医療者の前で言ってることと、家とで果たして同じかというのも疑問で。違うかもしれないですし、難しいところではあります。
A、やはり介入したいケースもある?
1人すごい重度の摂食障害というか、そういう子がいて。
ご両親が離婚されていて。片側で暮らしてるんですけど。
親御さんが、この子達をみるために仕事できないんだと言って。行政に頼っている状態で。
どうも親御さんにとっては、この子達が病気でいる方がありがたい、という状況だったんです。そういう大人もたくさんいて。
その子も本当にかわいそうで。親御さんの別れた相手への文句や愚痴をずっと聞かされてたりだとか。
もちろん児相とか市役所も関わってましたけど。この子は本当に中学にあがっても学校もずっと行けず。大変でしたね
A、確かに離した方が良いのではと感じてしまいますね。
そうしてほしいですけどね…
A、親権の仕組みそのものが複雑と言うか、難しく感じます。
本当その通りだと思います。
A、摂食障害を含め、児童の精神状態を適切に見守っていくことは社会課題ではないかと思います。
そうですね。本当に、おっしゃる通りだと思います。そこも大人の、義務かなという。
A、子供がよりよく生きられるようにしていくのが大人の役割ではないかなと感じています。
そうですね。
そう思う余裕余裕がなく、子育てをすることになってると思うので。
そこ突き詰めていくと、その思春期保険の段階で、自分の人生プランというか。
どこで子供を産んで、どんな子育てしたいか、みたいなことをもっと若い時から考えさせるみたいな。
今、包括的性教育と言われてるんですけど。そういうのが必要かなというのは思ったりします。
A、摂食障害とは何でしょう?
摂食障害は…
社会が作り出してる闇というか、社会が作り出してる問題というような気がします。
ご本人たちの問題というよりは
A、文化依存性疾患とも言われます。社会の問題だといつも感じています。
本当そうですね。
家庭の問題にしろ、学校の教育の問題にしろですよね。
おそらく生まれた時から、そういう環境に行かざるを得なくなってるような子もたくさんいるので。
A、摂食障害の当事者の方々と関わっていると、ほとんどすべての社会問題が関わってきます。
わかる気がします。
関連図って必ず書くんですけど、その社会問題とか身体的なこととか、そういうので摂食障害を取り上げると、全て埋まるっていう。
これと、これと、これと、全部、みたいな。
私は摂食障害だけが、その社会が作り出してる闇、というふうに思ってなくて。
例えば依存症とか。アディクションの部分とかも、個人の問題ではないと思ってるので。私が多分その環境にいたって、そうしただろうみたいに思うので。
A、環境要因も大きいですよね。
そうですよね。
だからその子の家庭だけの、何か環境ではなくて。
別なものを与えていればきっと変わっただろうというのがあると、もうじゃあ環境そもそも大人が用意してあげようよ、というところになってほしいんですけどね…
A、ありがとうございました。
これをお読みくださった方へ
この方以外にも、数名の方に取材をしています。また改めてそちらもアップしたいと思います。
問題は非常に複雑でした。その点をよりよく書かれている医師による本があります。本取材をするにあたっても非常に参考になった本です。
本書の中でも「摂食障害の治療には、担当医の熱意と愛も重要」という旨の記載もあります。しかし、熱意と愛を注ぐだけで、生活の大変さなく生きていけるわけでも無いのが事実。
こうした状況を変えるには、何が出来るのでしょうね。
今はただ、映画を作るに留まっています。わたしに出来ることをわたしはやる。わたしはわたし、あなたはあなた、あなたはわたしじゃない。
最後に映画の紹介もしておきます。良かったらぜひ、観てやってください。こちらは冒頭10分ですが、「スマートフォンフィルムフェスティバル」の公式サイトで全編観れます。
最後に、今なお治療にあたっているすべての当事者、ご家族の方に、少しでも安らぎが訪れる様、願っています。またそれを支える医療従事者の方々に、尊敬と感謝、および健康をお祈りしています。
それでは。
DieAter監督
藤本 純矢
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