見出し画像

自作パソコンの、思わぬトラブル

 今回は備忘録もかねて、最近の自作パソコンのトラブルについて。

 GTX1650という安価なグラフィックボードを使っていたが、RTX3060ti という上位機種のグラフィックボードに付け替えることにした。

 グラフィックボード(GPU)で、NVidiaのGeforce というグラフィックボードのシリーズで、2010年から2019年まで主流であったのがGTXシリーズで、2018年から現在まで、その地位にとって代わってきた新しいシリーズがRTXなのだが、このRTXシリーズの大きな特徴は、
 リアルタイムレイトレーシング
 DLSS
 可変レートシェーディング

という3つの機能が使えるようになったことだ。
 単純に言うと、よりリアルで美しい動画が表現できるようになったということだ。
 RTX搭載のPCで、リアルタイムレートレイシング機能を使った動画を再生すれば、その違いが分かるのだが、(GTXでは再生できないので、GTXしかもっていないと、どう違うのか実感できないということになるんだが)
 見た目の美しさにひかれて思わず買ってしまったのがRTX3060ti。
 ただ、現実的に言うと、このグラボの本当の実力を発揮するには、CPUにしてからもっと上位の機種が必要だったようで、現状のCorei5 11400程度のCPUでは力不足だったようだ。
 おまけにRTX必須のゲームとかまだ少なくて、選択の余地がなく(値段が高いし)結局宝の持ち腐れ的な状況になりつつある。
 価格を考えれば、新しいPCの費用の半分ぐらいをまかなえたし、どうせならWacomのもう少し大きい液タブを購入する足しにもなっただろう。なんかこう。。。ちょっと失敗した気分。

 そういえば、先日動画をコピーした時、なんかずいぶん早くなったような気がしたのは気のせいだろうか。。。もしそうなら買った買いがあったわけだが。

 このように高スペックの部品は時として徒労である。。。。。コスパがいいかどうかというのは、その部品の性能と価格の比較であって、その部品が本当に必要だったかどうかということは無関係だから。
 そこまで考えると、ある時はコスパが悪くても満足ということはあるけれども、コスパがよくても、性能が良くても不満足ということもあり得るわけで。

 まあ、やってみての結論は、このPC部品高騰の折に、何も今買わなくてもよかったかもという気はする。
 一方、またお金貯めて上位機種を組んでみようというモチベーションにはなってるので、それはそれでよかったかも。

 そこそこのゲームをそこそこに遊ぶ程度なら、CPU Corei5 11400/GTX1650  メモリ16GB あれば十分だという結論に達している。

で、本題、トラブルの話

 今回RTX3060tiを組み込んだところ、GTX1650で十分遊べていたゲームがしょっちゅう落ちるようになった。これは新しいグラボの初期不良だろうと思って、一度返品し、買いなおしたのだが、それでも状況が変わらない。

 何が原因か探し回ることになった。

①電源

 情報を集めてみたところ、グラボが動かないよくある原因として、電源があるらしい。電源との相性問題である。
 そこでほかのPCの電源と交換してみた。(ちょうど違うメーカーの同じ容量の電源だった)ところが変化がない。

 もう一つ、グラボが上位機種になると必要な電力が大きくなる。そこで今まで大丈夫だった電源が、容量不足になる可能性がある。電源の容量不足は、部品の不具合が出ることがある。
 実際計算してみると、新しいグラボでは、今までの構成にしてしまうとちょっと電源の容量不足だった。
 相性問題がないとしたら、容量の問題かもしれないという可能性が浮上する。このとき使っていたのは、650Wで、これより大きいのは850Wがあるが、これはATXだったので、その時組んでいたケースでは入らない。別のケースですべて組みなおす必要がある。そこで電源不足の検証は、ほかの可能性がなくなった後で検討することにした。

先に、メモリーの検証を


 ではメモリーかということになり、メモリーの故障を疑った。
 使用していたのはTeam DDR4 3200Mhz PC4-25600 16GBx2枚(32GBkit)

 メモリーに関しては不具合を見てくれるmemtest86というフリーソフトを使ってみた。すると差してあるmemoryに不具合があることが分かった。
 次に2本あるメモリー(16GBx2本)の1本を外し、もう一度memtest86を試す。
 これでどちらのメモリーが故障しているのかわかるわけだが、なんと2本とも正常だった。つまり1本なら正常、2本なら異常なのである。
 おかしいと思って、ほかのPCのメモリーを抜いて生きた。こちらは同じメーカーのメモリーだが、8GBx2本である。これを2本とも差してみると、正常だった。
 ?
 これだと、このメーカーのメモリーは16GBなら使えるが、32GBになると使えないということになる。

 結論はこうである。
 実は、このTEAMメモリーは3200GHzなのだが、私が使っているCorei5 11400というCPUは、3200GHzをサポートしていない。だがこれをサポートする方法があって、CPUのオーバークロックである。
 CPU11400は定格で使うと65Wだが、CPUを使用する温度を調整して、75W 以上で使えるようにすると、マザーボード上の設定でメモリーを3200GHzを運用できるようになる。
 以前はそうやって使っていだが、このCPUの設定を、グラボを差し替えるときに一度デフォルト戻していた。
 するとmemoryは、2666GHzまでしかサポートされなくなる。
 16GBまでは普通に動くのに、32GBになるとエラーが出たのが、そのせいだったらしい。

 そこで、マザーボード上でメモリーを2666GHzに手動で設定してやると、16GBx2を差して、ゲームしても落ちなくなった。
 実際、3200GHzでも2666Ghz でもスピードの違いは実感できない程度だから、これで解決だと思う。
 もしスピードにこだわるなら、上記にあるようにCPUを75W で運用するように設定すればいいと思う。
 でも今回はそれをしなかった。
 理由は電源である。

電源容量の話

 グラボがRTX3060tiになったことで、消費電力が大きくなった。CPUを75Wで運用するためには、その分電力が大きく必要になる。
 すでに述べているように、今、電源は650Wを使っているので、RTX3060tiを搭載するにはギリギリの電力でで、CPUを75Wにオーバークロックする余裕はないのだった。
 今後電源を大きくできるなら、試してみてもいいのだが、実際に使ってみて、あまり差がないのはわかっている。あえてOC(オーバークロック)してCPUに負荷をかけて寿命を縮めることもないと思った。

結論

 今回の不具合にグラボは関係なかったという話。
 原因はマザボをデフォルトに戻したことが直接の原因だった。
 もしメモリーが16GBで運用していたら、それでも問題はなかったのだが、32GBの運用だったので問題が起きたというわけだ。
 
 
 以前ここでも一度書いたのだが、インテルの11世代CPUは、デフォルトの性能が割と低めだがOC(使用できる温度の幅を少し変えてやる)することで大きく化ける可能性があった。一番わかりやすいのがメモリーのスピードを速くできることだったのだが、実際にやってみたところ感想としては、全く同じスペックで、オーバークロックしていないパソコンとの比較で、スペックの違いを体感できることはなかったということだ。
 2666GHzだろうが、3200GHzだろうが、変わりはないわけだ。
 結局のところ、マニュアル通り、定格で使ってやるのが最も安定し、汎用性があり、使えるということがわかった。
 最初から素直にCPUを定格65Wで運用し、メモリーもマニュアル通り、2666GHzを手動で指定していれば、今回の問題は起こらなかった。

 PCを組むと色々覚えることがある。
 それは、額面上のスペックが変わっても、それが体感できることは少ないということだ。
 このゲームがしたいからこのスペックが必要、というぐらい具体的な目的があればしっかり体感できるのだが、漠然と性能が上がったからいいことがあるんじゃないか、的な期待は、たいてい裏切られる。

 あとOCしても、あまり差は感じられない時が多い。
 あくまでもベンチマーク上の数値がよくなるだけで、体感できる性能の違いはない。
 
 毎回、身もふたもない結論に達するのだが、それが現実らしい。

 
  
 

 そこで2本ささっているメモリーの1本を抜いて、1本で試してみる。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?