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安倍が自己管理が出来ていないわけ

 安倍首相が辞める事になった。

 元々この人が嫌いだし、信用できないし、この人が8年に行ったことは全部裏目に出ていて、さらにそのパフォーマンスのために、貴重な日本の資源を食い尽くしたことに腹が立つが、今回はその問題ではない。

 潰瘍性大腸炎の話。

 私は身内にこの病気の人がいて、その健康管理をずっとやっているので、この病気についてはある程度承知している。この病気の患者の苦労も知っている。しかし、だからこそ、安部に全く同情しない。それどころが怒りすら覚える。

 当初、安倍首相がこの病気になっていると聞いたとき、ちょっと疑いの目を持っていた。

 潰瘍性大腸炎は、病気の原因もわからなければ、治癒のための治療法も確立されていない難病だ。患者によって、症状が大きく異なるという事もある。食事療法も、患者によって食べられないものが違ってくるので、患者全般に利用できるレシピもない。一つ一つ様々な情報を集めながら、患者1人1人に合わせて作っていくしかない。

 もう一つ、このような病気の性質上、確定診断も難しい。

 もし、長期にわたる下痢や腹痛などの症状があるとき、大腸に症状の出る病気は他にもあるので、まず医者のすることは、検査によって、他の病気でないことを一つ一つ確かめていくことだ。そしてどの可能性もないとわかったとき、それでも症状が続くなら、初めて潰瘍性大腸炎を疑う。

 潰瘍性大腸炎の確定診断がさくっと出来るわけではない。

 この事実を知っていると、まず安部首相が本当に潰瘍性大腸炎なのかということを疑ってしまう。

 逆に言えば、症状だけピックアップすれば、潰瘍性大腸炎に見える病気は他にもいくらもあるという事だ。

 例えば神経性の下痢などもそうだ。原因が違うし、治療法も違うし、正直管理も違ってくる。病気としての深刻さも違う。ストレスに弱い人にはありがちの病気だ。

 政治家の常套手段だが、病名をごまかすことはいくらでも出来る。特に難病であるため、そもそも確定診断の難しいこの病気なら、罹患を疑われても、(突っ込まれても)いくらでも言い逃れがつくということだ。

 なぜそこまで疑ったかというと、これは、安倍首相が寛解となり、総裁選に出馬した時のことだ。あるテレビ局の密着取材で、安部氏はことさらに自分の健康を誇示していた。

 良い薬があって、既に治癒したと言い放った。

 いかに健康かを示すために、何でも食べられるようになったと、あからさまにいろんなものを食べて見せた。

 高級アイスクリームが好物で、今では毎日食べているといって、総裁選のさなか、コンビニで買って見せた。

 確か乳脂肪8%ぐらいのアイスクリームだ。

 潰瘍性大腸炎を知っている人なら、乳脂肪8%の意味がわかるだろう。

 潰瘍性大腸炎は、患者によって症状が大きく異なる特徴があるが、それでも、ほとんどの患者に共通して食べられない食品がある。

 その筆頭がこんにゃく、

 次が乳脂肪だ。

 乳脂肪の入っているもの。主に乳製品。牛乳、チーズ、バター、ヨーグルト、アイスクリーム などがそれにあたる。

 これらの商品を食べると、ごく少量の場合を除いて、だいたいすぐ下痢になる。私の身内は、ほぼ寛解状態の時でも、小さいカップ1杯の乳脂肪8%のアイスクリームを食べたら、その日のうちに下痢になった。寛解の時でさえ、1日カップ半分が限度で、それでも毎日やったら、下痢になった。

 乳脂肪はそれほどこの病気には天敵である。

 牛乳、ヨーグルトは乳脂肪0%の商品が存在し、アイスクリームもラクトアイスなら乳脂肪はない。この病気の人なら、こちらを選ぶ(それによって、カルシウムなどの乳製品の栄養を確保する)

 安倍氏が、もし毎日カップ1杯のアイスクリームを食べていたなら、選挙戦のさなかに下痢になっていただろうし、あんなに元気ではいられないはずだ。

 それで私は確信した。

 食べているのは嘘だ。

 もしくは、潰瘍性大腸炎が嘘だ。

 実際、潰瘍性大腸炎が治癒したと宣伝して廻ったあげく、総裁選に勝ち、総理大臣へとなったわけだが、その後、様々な方向から批判を受け、自分が間違った情報を流したことを認めた。

 潰瘍性大腸炎は治癒しない。寛解の時にいい気になってものを食べたら再燃する。

 総裁になってしまえば、潰瘍性大腸炎の話など関係ないらしく、以降安部氏はこの病気について触れることはなくなった。

 総裁選の当時、彼が口にした言動のおかげで、潰瘍性大腸炎の患者は、流布された嘘の情報のおかげで少なからず被害を被った。病気を抱えながら仕事をしてきた人たちは、周りの人間にいろいろな配慮をしてもらっている例も多い。その周りの人々が、安倍首相の無責任な宣伝のおかげで、誤解をして、配慮が必要ないもの、(患者が嘘をついていたもの)として患者を非難した例も少なくなかったようだ。

 こうして安倍首相の無責任というか、自分の利益だけを追求した発言は、様々な方面に被害を増やしていく。

 首相の仕事が出来ないのは、病気のせいではない

 潰瘍性大腸炎関連では、権威と言われる慶応大学の医師がバックアップしているというのが本当なら、安倍首相が潰瘍性大腸炎であると言うことは嘘ではないのかもしれない。

 しかしそれでも、この病気のせいで首相を辞任するという話には、納得いかない点がある。

 首相曰く、「6月に再燃の兆候が見られ、治療をしたが改善しなかった。」とすれば、辞任を発表したのが8月の下旬であるから3ヶ月弱たっていることになるが、再燃の兆候から、もう仕事が出来ないくらい悪くなるのに(いや、野党からの国会開催の要求を無視するほど悪くなるのに)3ヶ月弱というのは、少々早すぎる気がする。

 この病気は厄介である。治癒もしない。管理も簡単ではない。

 しかしその性質上、今日元気で、明日悪化するということはない。

 逆に今日悪化して、明日元気になることもない。

 自覚症状がなくても徐々に悪化し、自覚症状がひどくなったときには、かなり悪化していて、そこから治療を初めても、良くなるにはかなりの時間を要する。ゆっくり悪くなる代わりに、直るのもゆっくりなのである。

 医師団がついていて、きちんと検査をして、管理しているなら、悪化の状態は自覚症状のない時点からわかっていたはずである。その時点ですぐに調整を始めるべきである。

 総理の重責からそれが不可能だとすれば、当然悪化するのはわかりきっており、そして悪化すれば、すぐには直らないこともわかりきっている。そうなるなら、後は、どのくらいの時間で、どのくらいまで悪くなるかを逆算するだけで、自ずと、どの時点で自分が総理を辞めなければならないかはわかるはずだ。総理はこの病気の病歴が長い。幾度かの悪化と回復を繰り返した経験がある。

 ましてや、仕事は総理だ。

 日本を背負う重責である。さらに今はコロナ禍。内閣はいっときの猶予もないほどの重責を担っている。

 だとすれば、その中にあって、自分に残された時間がどのくらいあるかは常に考えてしかるべきだ。無軌道な生活をして、突然倒れたら、それは国民の死に直結する。

 実際コロナに関しては、国の政策の誤りから、1000人前後の人が亡くなっている計算になる。すべてが国のせいではないというかもしれないが、コロナに関して国が何ら有効な手を打てていないどころか、感染の拡大に手を貸しているような始末である事は誰もが知っている。その結果の死亡者とすれば、その責任はやはり国にあると思う。

 いずれにしても、このようなときに、自分がいつ何時倒れるか、それをきちんと見極めて行動するのが首相としての責務であると思う。それだけこの役職は重い。

 それが、自民党は「辞任を告知が急なことだから、自民党の総裁選は党員全員の選挙はなしで決める」などと寝ぼけたことを言うに至って、やはりこの首相の辞任は無責任きわまりないと言うしかない。第1次安倍内閣と同じである。(あのときも急に辞めて自民党員全体での総裁選は出来なかった)

 実際のところ、潰瘍性大腸炎は厄介な難病ではあるが、管理はきちんと出来る病気だ。少なくとも悪化して、職を辞する必要が出てくるにしても、辞する前に、周りが迷惑しないように、次の後継者を定め、八方気配りをして辞めるぐらいの時間は稼げるはずだ。逆に言えば、この病気はいつ何時そうなるかという意識をきちんと持って、常に準備を怠りなく仕事に臨むべきだ。

 だがそれをするには、ひたすらに節制と食事療法、そして投薬をしていくしかない。厳格に自己管理をするしかない。それが出来ない人は再燃し、それが出来た人は十分に仕事が出来る。そういう病気だ。

 マスコミでも『一定期間の入院とか、毎週点滴を打つとか、そういうことをすればまだ続けられたのではないか』という意見が出ていた。

 その答えはYes。

 やろうと思えば出来るだろう。だが本人にその気がないのだから出来るわけがない。

 この病気はストレスで悪くなると言う。これは事実だ。だが、ストレスに対して強いか弱いかは病気ではなく、人間による。ストレスにきちんと立ち向かえる人は、ストレスがあってもいたずらに病気を悪化させない。ストレスをうまく逃がし、力に変えるすべを知っているからだ。

 逆にストレスに弱い人は、病気に関係なく身体を壊す。ストレスが病気を呼び込む。いくら重責の仕事をしていても、それをストレスとするかどうかはその人の精神のあり方による。たとえ寝たきりの人でも、ストレスに強い人はいて、十分に仕事が出来る人もいる。逆に五体満足でもストレスに弱く、すぐ仕事が出来なくなる人もいる。

 ストレスと病気の関係は一筋縄ではいかないが、それは病気によると言うより、人による。

 安倍首相がストレスに弱そうなことは以前からわかっていた。ストレスとのつきあい方が下手で、少しでも都合が悪くなるとやる気をなくすことはわかっていた。今まで彼の仕事ぶりを見てきた国民は、何かしら思い当たることがあると思う。神輿に担がれ、いい気分の時にはたくさん仕事をするが、困難にぶち当たると、すぐにへこんでしまう。本当の困難には向き合おうとしない。

 安倍首相が取ってきた政策は、常に自分のストレスから逃げることだった。だからこそ、彼は周りにストレスのない相手しか置かない。お友達内閣と言われるゆえんだ。

 自分の能力のなさを突きつけるような優秀な人材は置かない。

 自分に辛辣な意見を言ってくる人は置かない。

 自分が優越感を持てる相手だけを置く。

 つまり能力のない安部首相の周りには、安部首相よりも能力が劣る人間しか存在しない。

 この言葉を持って過去の安倍首相の行動を振り返ってほしい。思い当たることがないだろうか。

 潰瘍性大腸炎であろうがなかろうが、ストレスに弱い人間はストレスに遭えば体調を崩す。それだけのことだ。

 潰瘍性大腸炎は管理が出来る病気だし、少なくとも病気の進行を読むことが出来る病気だが、ストレスに弱い人間なら、それを管理できず、気づいたときにはもう手遅れで、治療の時間がなく、そしてやる気をなくして、仕事を放り出すことになる。

 私の経験からすれば、野党が国会を開くことを求め始めた頃には、既に兆候があったと思う。もし、国会への連日の出席が負担だと感じたなら、その時点で辞任を検討し、次の総裁を決めるための、自民党員全体の総選挙の準備を指示し、タイミング見計らって辞任を発表し、速やかに次の総理を決めて、その総理で国会を開くべきだった。そうすればもうとっくに国会は開かれていたはずだ。ここまで引っ張ってしまったのは、ひたすらに読みが悪かっただけだ。

 本当は全部計算ずく

 それでももし、安部首相が用意周到に準備をして辞任に至ったと言い張るなら、第1次安倍内閣の退陣劇とは違うと主張するなら、もっとあきれたシナリオが成立する。

 次の総裁に石破氏をつけたくないがために、自民党員全体での総裁選を開かないために、ここまで辞任発表を引っ張って、あたかも急がなければならないように見せかけていると。

 そして意中の人物を首相につけて、キングメーカーとして辞任後も隠然と権力を保持したいと考えている。

 ついでに国会も開かないと。

 ここまで用意周到だったら、本当にくそ首相である。

 この首相は国民のことなど1ミリも考えていない。自分事だけである。


 ともかく、潰瘍性大腸炎のことなど二度と口にするな。

 きちんと管理し、重責を全うしている多くの患者に失礼である。


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