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経済的発展と社会的均衡を目指す中小企業の企業利益最大化~町工場の夫は准教授

町工場の娘と話をしていると、「どうも合わない」ということが多々あります。合わないということは、価値観や志向というものがあるでしょう。そして、中小企業、特に小規模事業者の経営者と話していても、「どうも合わない」というか、「あれ?なんか前提が違う?」ということも。

この正体について、一つの視点からひも解いてみようかなと思い、今回の記事を書いてみました。一つの視点とは「企業利益の最大化」という視点です。


企業利益の最大化

「企業利益の最大化」は、経営陣の重要な課題ですね。特に小規模事業者の経営者が「企業利益の最大化」とは何か?という点を考えてみます。

企業利益を最大化するとは、企業が収益を最大限に増やすことを指しますね。具体的には、企業が売上高を増やし、同時に経費を削減して利益を最大化することを目指します。そして、企業利益の最大化は経営者にとって重要な目標となります。なぜなら、利益を最大化することで企業の競争力を強化し、成長や発展を実現できるからです。

ただ、企業利益を最大化することには「株主の存在」も関係してきます。つまり、利益配当や株価の向上などが株主に期待されることとなります。

中小企業の企業利益の最大化

しかし、中小企業では「株主=経営者」である同族企業のケースが多いです。そうすると、株主への配当を抜きにして、企業利益の最大化を志向する傾向があるかもしれません。

その結果、企業利益の最大化の目的は次のようになるでしょう。

  1. 持続可能な成長 企業は利益を最大化することで自らの成長と発展を促進すること。収益が増えることで新たな投資や事業展開が可能となり、市場での競争力が強化できます。そして、持続的な成長によって、企業は長期的なビジョンを実現し、安定的な地位を築くことができます。

  2. 従業員への還元 企業の利益が増加すると、従業員への給与や福利厚生の向上、キャリアの成長機会の提供など、従業員への還元が可能となります。従業員のモチベーション向上や満足度の向上は、生産性や企業のパフォーマンスに直結します。

  3. 社会的責任を果たす 企業は社会に対して責任を持つ存在とされており、利益を最大化することで経済的に健全な企業として社会に貢献します。企業の活動によって雇用の創出や経済の発展が促進され、地域社会や国民経済への貢献が期待されます。

  4. 研究開発や技術革新への投資 利益を上げることで、企業は研究開発や技術革新に積極的に投資できます。新たな技術や製品の開発によって市場競争力が向上し、より先進的な製品やサービスを提供できるようになります。

この中でも、社会的責任に重点を置いているように思えます。そこから、経済的は発展という意味については、社会的責任に重点を置いた意味となっているようです。

中小企業の経済的発展の意味

そして、経済的な発展については資本主義よりも社会主義的な経済的発展を志向しているのではないか?ということ。

社会主義の経済的繁栄は、公平性や社会的な均衡を重視することで次のようなことが考えられます。

公平な所得の分配という視点。経済成長が全ての人々に公平に恩恵をもたらすような仕組みを構築することが目指されます。富の集中を防ぎ、貧困の削減が経済的繁栄の指標とすること。

生産手段の共有という視点。利益や生産物の所有が個人や特定の企業に偏ることを防ぎ、全体の利益に配慮した経済活動が行われることが期待されます。(大手企業を比較対象とした大手企業への批判的態度

環境と社会的側面の重視。社会的な持続可能性が重視されます。短期的な利益追求よりも、将来世代への配慮が経済的繁栄の一環となります。

社会主義の経済的繁栄の視点では、社会的な価値や公共の利益を重視することが特徴的です。個人の利益と社会全体の利益を調和させ、持続可能な発展を目指す志向があります。そうすると、そこで、障がい者雇用など社会的弱者への取り組みや社員の幸福、地域の継続的な発展を重視する傾向が中小企業に見られるのかもしれません。

つまり、株主との緊張関係がないため、資本主義的な企業利益の最大化よりも、社会主義的な企業利益の最大化への志向があるのではないかということです。

働き手の個人主義・自由主義との調和を

同族企業は資本主義や自由主義経済をベースにしながらも、社会主義的な志向で企業利益を最大化することを考えているようです。このような志向で、市場原理よりも公共の利益を重視し、社会全体の目標達成に向けた理念と計画を掲げることになるでしょう。

ただ、一方で、採用される側からすると、自由主義や個人主義がより浸透しているように感じられます。

その中で、企業の社会主義的志向と個人の自由主義・個人主義的志向の調和を図るということでの悩みが生じます。例えば、社員の「チームワーク」「協調性」という側面と、「多様性」「自主性」という側面を調和させる必要があるということです(企業の社会主義的志向と個人の資本主義的志向の調和ということですね)。

中小企業の社員教育においては、自社の志向を意識し、個人とのギャップを埋める取り組みが重要になるのではないか?

さて、みなさんはどうお考えになるでしょうか?

今回も最後までお読みいただき、ありがとうございます。


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