見出し画像

中小企業診断士二次試験合格への軌跡 第五段

エフモンです。

前回の「理論と論理の罠」に引き続き、診断士二次試験合格までの軌跡をご紹介したいと思います。

今回は、問題を解くために私が行っていたプロセスについてです。
いわゆる80分の過ごし方ということになります。

EBAで教えてもらえることは、EBAに譲りたいと思いますが、この試験を確率論で捉えた私なりの考え方の部分を記載したいと思います。

まず、そもそも、80分をどのように過ごされますか?
さらにいうと、「80分をどう過ごすか」が決まっていますか?
多くの方がどう過ごすか(過ごしてしまうか)は、演習を重ねていく中で決まっていくものと思います。これが意図的なのか、偶然的に収束していくのかは別ですが。
もちろん、事前準備としてどの時間帯に何をすべきかを決めておく必要があります。これは、一定の高い品質の回答を常に出すためには、作業プロセスの安定が重要だからです。ほかの方が書かれているブログなどで「フロー状態に入る時期がある」などと拝見したことがありましたが、私にもこの感覚はありました。どの模試を受けたとしても、50点程度はある程度当てられるな、という状態です。これは、自分なりに作業プロセスが安定したなと感じたときと同じタイミングでした。

大枠での私の作業プロセスは以下です。

1.設問を読む
2.必要な論点(理論)をメモに書き出す
3.与件本文を読みながら、メモに本文を割り振っていく
4.再度設問を読みながらメモの中で回答に使う論点を検討する
5.回答用紙に一気に書き出す

設問を先に読みにいくメリットは、何を確認すべきかを把握することで与件を効率的に読めるからです。与件では使うセンテンスと不要なセンテンスを見極める必要があるため、その基準を先に把握しておく必要がありました。

と、ここまではある程度の人が採用しているプロセスなのかなと考えています。

ここから、確率論をベースに考えたいと思います。
まず、はじめに「自分は80分の中でいつ得点を獲得するのだろうか?」という問を立てて、この問に回答する形で思考していきました。

「直接的に」得点を獲得するのは、5で回答用紙に回答を書き出したタイミングですが、実際には「書き出すために必要な情報を思考する」のは、2および3のタイミングでした。
2では、事前にEBAで鍛えた理論に従って、設問情報から必要な理論ワードを頭のなかからひねり出して、メモに記載します。
3では、与件本文から情報を設問に引っ張って、メモに記載します。

つまり、2と3で作り上げるメモの品質が私の得点を左右するポイントであるということになります。逆にいうと、ここで得点に必要な論点を書き出せなかったら、もう取り戻せない得点となります。

2や3の品質は「かける時間」に比例します。
※もちろんこれまでのnoteで記載しているとおり、正確に理論を叩き込んでおく必要はあります。

そこで、2や3の時間を確保するために考えた観点は2つです。
「無駄な時間を排除すること」と「フルで利用するために作業計画を立てること」です。それぞれについて、解説します。

「無駄な時間を排除すること」についてですが、最も無駄な時間は一度読んだ本文を再度探しに行く「捜索時間」でした。与件の海に溺れるこの時間は、湯水のように時間を消化していきます。いわゆる迷走している状態です。つまり、この時間をなくすために、3で本文を読んでメモを取るときには、丁寧に1センテンスずつよみ、キーワードだけでなく、周辺の修飾語や説明文も含めてメモに写していきました。ですので、本文は一度しか読みませんでした。読み終わった際に、必要な情報はメモに反映している状態になっていたからです。

次に、「フルで利用するために作業計画を立てること」です。
演習問題の際に、72分で回答編集まで終わったことがありました。これは、「あと8分間、得点を獲得するチャンスがあったのに早く終わってしまった状態」と捉えました。このため、回答編集がきっちり79分に終わるように作業計画を立てることで、2や3の検討時間を確保して、得点を獲得する時間をより長くとろうと考えました。
これは、時間をコントロールするために逆算する必要があります。自分が回答用紙に回答を記述するスピードを自分が把握していなければならないということです。そこで、スマホのストップウォッチ機能を使って、「メモ上に回答に書くべき論点がある状態から、回答編集完了するまでの時間」を図り、100字でおよそ3分弱ということがわかりました。100字×5問の場合、16分程度、おそくとも60分時点で回答を書き始めれば間に合うという算段を立てました。「遅くないか?」と思われたと思います。私もそう思いました。
が、理論上はこれができるという試算でしたので、実践しました。ある意味チキンレースで、回答を書ききれないリスクがあります。が、本番でも実施しました。演習で何度も試したうえで、いけると判断したためです。
また、書くスピードを上げることで、余裕が生まれていきました。私は「文字のきれいさ」は得点には関係ないと思っていました。これは本質的ではない観点だと思っていたからです。ですので、採点者が読めるギリギリを狙って、演習で試して、EBAの採点者からNGをくらわないかを確認していました。本番でも綺麗な字で書いていませんが、読める字では書いていると思いますので、この手法で合格できたことで、字の綺麗さは得点には関係ないと仮説検証することができたのはうれしく思っています。

こうして、得点を獲得する時間を他の受験生よりも多く確保することで、「得点を獲得する確率を上げる戦略」をとりました。試験当日は、「びびって早く書き始めてはいけないんだ」と強く念じて、自分に勝つつもりで試験場に向かいました。

私がどのようなメモを記載していたのか について興味がある方は
インスタからメッセージいただければ、実際のメモをお出しできます。
https://www.instagram.com/fhisayoshi/

次回は、「情報の近接性と書くことと読むことの違い」についてです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?