映像としての希死念慮『たぶん悪魔が』を解釈する.01
ふと、2年前に高田馬場の早稲田松竹で見たロベール・ブレッソンの『たぶん悪魔が』(1977)のことを思い出したので鑑賞直後の自分が書いた批評に新たな解釈一部加えて書き起こしてみようと思う。
あらすじ・・・
裕福な家柄に生まれた美貌の青年シャルルは、自殺願望にとり憑かれている。政治集会や教会の討論会に参加しても、違和感を抱くだけで何も変わらない。環境破壊を危惧する生態学者の友人ミシェルや、シャルルに寄り添う2人の女性アルベルトとエドヴィージュと一緒に過ごしても、死への誘惑を断