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引っ越し先が決まらない

昨年11月頃から、引っ越しを検討している。これが、なかなか決まらない。内見数は既に10件を超えた。 

現在は北千束の1Kの物件に住んでいる。2016年5月に引っ越してきた。小さな台所と、約8畳の部屋。これに2畳ほどのウォークインクローゼット(WIC)がある。

物件選びには私なりのいくつか条件がある。バス・トイレ別、お風呂に追炊き機能付き等々。それらクリアした上で、このWICが決め手だった。服に限らず、不要なものはここにしまっておける…。

今、引っ越しに心が傾いた理由の一つは新型コロナウィルスだ。勤務先の会社は(ありがたいことに)リモートワークを推奨しており、感染症が拡大し始めた2020年の春ごろから、ほぼ毎日の仕事を家で行っている。

満員電車で通勤する必要が無くなったが、オンとオフの切り替えができない。寝る、食べる、仕事する、YouTubeを見る、衣装制作をする、ストレッチをする、ボーっとする、、、生活の全てをこの「1つの部屋」で行っている。

しかもこの部屋にはベッドと机&椅子があるので8畳の広さまるまるを使えるわけではない。衣装制作で布を広げて切る時は「ちょっと狭いよな」とさえ感じる。

2020年の冬には、リモートワークで長時間、椅子に座っていたことが祟って、急性腰痛症で入院をした。全く体を動かすことができず、このままの状態だったらどうするんだろうと恐怖さえ覚えた。さすがに生活のリズムや習慣を見直す必要に迫られた。

そこで考えたのが、寝る部屋と、仕事や趣味などの活動をする場所を区切ることができれば、オンとオフの切り替えができ、働きすぎも回避できるのではないか、ということ。

今回の物件選びには、現在の家賃と同等で2部屋あること、という条件が加わった。

北千束の前は、神楽坂に8年、神保町に2年、住んでいた。どちらも自分が「住みたい!」と思っていた街だ。

雪景色の神楽坂善国寺毘沙門天

神保町に住みたかった理由は、古本を含む本屋さんが多かったから。今ではすっかり動画漬けの毎日だが、若かりし頃は本を読むのが大好きだった。

初めて神楽坂を訪れたのは、学生の時だったと思う。坂を上り始めた左側に、神楽坂を代表する「巴有吾有(ぱうわう)」というカフェがあって、そのお店と街の雰囲気にすっかり魅了されてしまった。「いつか絶対に神楽坂に住む」そう誓った。

神楽坂「巴有吾有」閉店後…

神保町も神楽坂も、いい物件に巡り会えて、「住みたい!」という希望が叶った。神楽坂に引っ越した時は本当に嬉しかったよな~。1DKで、牛込神楽坂駅1分という駅近。その分、家賃もいいお値段でしたね。本当に大好きな街だったので、神楽坂を去る日が来るなんて想像もできなかった。

でも8年住んだ頃、既に始めていたサルサの延長で、社交ダンスをやってみようかな、と思うようになった。社交ダンスは結構、お金かかりそうだったので「家賃にお金かけている場合ではないかな」ということと、将来の自分のキャリアのことを考えて「ちょっと勉強したいな」と思うことも出てきて、誘惑の多い神楽坂はそろそろ出ようか、という気になった。

人の気持ちって変わるよね…。神楽坂を去って既に6年、あんなに熱狂していた街の名前を聞いても、非常に冷静な自分がいる。。。

そんな背景で神楽坂から引っ越したので、条件に合った物件がたまたま北千束にあった、ということでこの街にやって来た。

北千束に引っ越してきた6年前、「ここを出る時はどんな理由なんだろう…」と、ふと考えた。その時はもちろん答えは出ず、その問いかけは頭からすぐに消えた。まさか、世界中にパンデミックが起こるなんて思いもしなかった。

ここ1~2年で、世の中も自分の中でも価値観が変わった。神楽坂から出る時も、自分の考えというか生活のフェーズが変わったように思う。

さて、なかなか引っ越し先が決まらないので、とうとう今の物件の更新のお知らせが先に来てしまった。改めて契約書を見たけど、更新料がかからないんだよね。しかも駅から30秒の好立地。そして引っ越してきて以来、色んなことに挑戦をして、色んな出会いがあったこの6年を過ごした物件でもある。そう考えると、急いで引っ越しをするのもちょっと寂しい気持ちもする。

次の物件はもっと長く住みそうな気がしている。あせらず気長に探そう。納得のいく物件が見つかりますように…。


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