アプリのサービスで売っているものは何か?
我々の売っているもの。
昨日、アプリのサービスで売っているものは何か?
という話になったので、簡単にまとめておこうと思います。
お客様が何を求めてアプリを使うのか
私はスマホやタブレットのアプリを作る仕事をしています。
今は主にコンシューマ向けの(いわゆるBtoC)のアプリを設計したり、開発したり
サービスの運営をしたりしていますが、案件によってはビジネス用途のアプリを作ったりもします。
基本的にはサービスデザインのプロセスで作ります。
アプリと言っても、作って終わり、というアプリはあまりなくて、
どちらかといえば、運営が継続的に発生するようなアプリを作っています。
規模の大きいものであれば、ソーシャルゲーム。
限定的な用途のものであれば、接客用のカルテアプリなんてのも作りました。
アプリのサービス設計したり、開発したりする際に、重視して考えるのは以下のような点です。
『そのアプリを使うお客様は何を求めてそのアプリを使うのか』
『お客様視点で考えた時に解決されるべき課題をしっかりと解決できるか。』
何かのサービスを生み出す時、必ず考えなければならないのは、この「課題の解決」だと考えています。
だとすると、私たちサービスを作ったり、産み出したりする人間は何を知らなければならないでしょうか。
私はこう考えます。『顧客がそのサービスを使ってお金を払った後に得られるもの。』
すなわち、お客様が何を求めてそのサービスを使うか、ということです。
お客様がお金を払う時、何かが動いてる。
人がサービスを受けるときに、ほぼ必ずと言っていいほど対価が発生します。
対価を払うということは、その人の財産である、お金であったりとか、時間であったりとかを消費するわけです。
ここで少し脇道にそれますが、コストというのはお金のことだけをさすわけではありません。
その人が持っているものを消費させたら、それはすなわちコストです。
より本質的に捉えると、お金、時間、精神的負荷の3つが主な財産ではないかと考えます。
サービスを受けるとき、コストを支払うのは、そのコストを支払う価値がその対象にあると考えるからで、
サービスを受けた結果を想像しながら、お客様はコストを支払います。
ここではわかりにくいので、コストはお金とします。
さて、皆さんはお金を払ってサービスを受ける前と受けた後で、
自分の中の何かが変わっていることにお気づきでしょうか。
リアルの世界のサービスも、デジタルのサービスも本質的には同じです。
このお客様の中で発生する何かの変化が、お金を支払わせる本質的な動機になります。
より根源的に言うとすれば、お客様の中でお金を払う前、お金を払った後、サービスを受ける前、受けた後に
お客様の中では、「心が動いている」のです。
AIDMAの法則というお客様の心の変化を表したマーケティングのフレームワークがあります。
古参のビジネスマンには古めかしく聞こえるかもしれませんが、サービス設計ではいまでも現役で使われています。
A = Attention ← 興味
I = Interest ← 関心
D = Desire ← 欲しいと思う気持ち ★
M = Memory ← 持続する欲しいと思う気持ち
A = Action ← お金を支払う決意 ★
お金を支払う時、人の中では心が動き、コストを支払う決意をさせているのです。
お客様がお金を払う時、動いているのは心です。
★のマークがついているDと2つめのAの箇所で心が動いています。
心が動くということは、その時お客様の中で変化が起こっているのです。
それを手に入れたら、どんな気持ちになるのか、
それを手に入れた時、どう自分の生活に変化があるのか。
まだお金を使う前であれば、そのサービスを受けた後の状態を想像して、夢想して
期待してお金を使うことを決めます。
そのため、サービスを作る人たちには責任があります。
お客様の心を動かした分、期待をされているわけですから、
その期待に応える内容になっていなければいけません。
受けたサービスの内容がお客様の期待に対して
満たしているのか、満たしていないのかによって、
その後のお客様との関係性が変化します。
持続的にサービスを使っていただけるのか、そうではないのか。
お客様との関係性を良好にするためには、常にお客様の支払うコストに見合う
サービスの物量や品質を用意しなければなりません。
アプリのサービスで売っているもの
お客様がサービスを通じて受けていることは、『そのサービスを使ってお金を払った後に得られるもの。』であり、ではなぜお金を払ってまでそのサービスを使うのか、といえば「心が動いた」からです。
持続的に使っていただくサービスは、持続的に使うだけの理由があり、
期待を満たし続けることができるからなんですね。
良いサービスを作りましょう。
Photo by カメラお兄さん
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