2023年7月の記事一覧
親鸞の「往相」と「還相」をベクトルで読み解く
親鸞の著作には「海」が山ほど出てくる。山ほどの、海。というのも、おかしいけれども。
浄土真宗というくらいだから、この苦しみに満ちた娑婆世界から阿弥陀仏の安養の浄土世界へと往生することを念頭においた宗教なのだけど、「功徳の宝海」とか「弘誓の智海」とか、浄土のことを語るときにも「海」を使う一方で、「生死の苦海」「愛欲の広海」など、娑婆のことを語るときにも「海」を使う。
その親鸞は、主著である『教行
親鸞の著作には「海」が山ほど出てくる。山ほどの、海。というのも、おかしいけれども。
浄土真宗というくらいだから、この苦しみに満ちた娑婆世界から阿弥陀仏の安養の浄土世界へと往生することを念頭においた宗教なのだけど、「功徳の宝海」とか「弘誓の智海」とか、浄土のことを語るときにも「海」を使う一方で、「生死の苦海」「愛欲の広海」など、娑婆のことを語るときにも「海」を使う。
その親鸞は、主著である『教行