「いとこ煮」の親せきが高知にも

「美味しそうですね!高知では味噌は使いませんが、「ぐる煮」といういとこ煮に似た料理があります」
 高知の人がメッセージをくれた。
 調べたら、農水省のサイトに次のようなことが書いてあった。

「ぐる煮」とは、大根、人参、里芋といった冬の根菜を中心に使った煮物のこと。いずれの食材も県内で手に入れやすい野菜である。
「ぐる」とは土佐の方言で、「仲間」、「みんな」といった意味があり、さまざまな具材を一緒くたに煮こむことに由来しているといわれている。現代よりも食糧の調達が大変だった時代、あり合わせの野菜を使って「ぐる煮」を大量につくり、何度も温めなおしながら食べられていた。もともとは、「南無阿弥陀仏(なむあみだぶつ)」の6文字にちなんで、6品の材料が使われていた。現在は、さまざまな材料が使われている。
香南市野市地区では「おぐる」の名で呼ばれる。土佐市では、煮る材料が9品も揃うと「いとこ煮」と呼ばれる。これは、大根・人参・ごぼう、里芋・こんにゃく・豆腐といった、ジャンルの近い食材を“いとこ”に見立てたもの。3つの“いとこ”が揃ったら、「いとこ煮」となる。
具材は四角に切る、芋を入れる、といった習わしも、いまに伝わっている。

「いとこ煮」の定義もふくめて、地域によっていろいろな説があるのだ。でもこれだけ、おなじ名前で近しい料理が全国に広まっているということは、浄土真宗のような全国規模の宗教が介在したと考えたほうがいいんだろうな。

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