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ワークショップを企画して学んだ8つのこと

みなさんこんにちは。

淡路島で小学校の教員をしています、藤池陽太郎です。
小学校の教員する傍ら、デザイン制作やワークショップのお仕事もしています。


先日、ぼくのファシリテーターの師匠・マーキーと企画したワークショップ「対話が変われば組織が変わる」組織変革ワークショップを無事に開催することができました。マーキーの問いのもと、参加者のみなさんと組織やファシリテーションについて対話を深めるとても楽しい時間となりました。


今回はマーキーとワークショップを企画・運営してみて学んだ8つのことを書いていこうと思います。

残暑の中でしたが、淡路島の琴屋で無事に開催することができました  


1.かっこわるくても、もがいてみる


今回、マーキーと一緒にワークショップを企画しようとなった時、 今自分が関心を持っている組織変革や対話について学び合う場を作りたいな〜ということで、今回のワークショップの企画が決まりました。

ただ、自分にとって初めての本格的なワークショップだということ、 まだ自分自身に組織変革と言うイメージがないこと、というより、組織変革の実績がそこまでないこと、など自分の身の丈に合わない中での告知のスタートでした。

告知用の画像。マーキーだけならもっと集まっただろうな・・・とか思ったり・・・ね。


お盆の時期と重なっていたと言うこともあり、なかなか参加者が集まらず、どうしようとマーキーに相談したところ、
「SNSでの発信や知り合いに声をかけるなど、自分にできることがまだまだあるはず。周りに格好悪く見えても、とにかくもがいてみることが大事だよ」
と声をかけてもらいました。

確かに、どこかで、何度も募集をかける自分が格好悪く思われるんじゃないかな・・・と動けていない自分(というよりマーキーの知名度に頼りきっていた自分)もいましたが、まだまだ自分がそんなことを言える段階ではない、 もっともがいてみよう!ということで、動いてみたところ、1日開催となりましたが、淡路島だけでなく、愛媛・大阪から4名の方に参加いただけることになりました。本当にありがたや、です。


もがくって本当に大事。

特にSNSって自分のいいところばかり発信しがちなので、もがくことを発信するって勇気がいります。だけど、そこの「良く思われたい」という殻がくずれていった瞬間、新しい世界が見えたな〜と思っています。(もちろん良く思われたい自分もまだいますが〜)
ファシリテーションでもきっと、自分がどう思われるか、という思考が入った瞬間、その場にいる人の話を心から聞けなかったり、自分のことばかり考えたりしてしまうんだろうと思います。
泥臭くても、もがくことは大事にしていきたいな〜。


2.みんなが乗れるお皿をどう作るか


マーキーとパートナーのきょんと事前に打ち合わせをしていた時のこと。

ワークショップの最初に、参加者の皆さんの組織での困り事を聞く「問い」について話をしていました。 ぼくが考えた「問い」を聞いて、マーキーときょんから、
「 その問いなら、話に入れない人がいるかもしれないね〜」
というアドバイスをもらいました。

今回のワークショップでもマーキーから、
「ワークショップでは、みんなが乗れるお皿をどう作るかが大事だよ」
という話もありました。

参加者に投げかける「問い」の言葉一つを変えるだけで、参加者全員が対話のお皿に乗れるのか、誰かをこぼれさせてしまうのかが変わる。言葉を少したすだけ、語尾を少し変えるだけ、「神は細部に宿る」という言葉がありますが、その少しで場は大きく変わってきます。
ファシリテーターは、事前にここまで考え抜いてこそ、豊かな場を作っていけるんだろうなあと思います。(それは教師としても同じで、普段の子どもたちへの「問い」の粗さにあらためて気付かされました)

みんながお皿に乗れるように(これはきょんが準備してくれたこんにゃくゼリー)


3.安心安全の場づくりのために


これも事前の打ち合わせの時のこと。

せっかく淡路島の琴屋でやるなら、無風の酷暑じゃない限り、琴屋の長屋門の下で全てのワークをやることになりました。
その時も、2人からは
「熱中症対策として〇〇と〇〇が必要だね。あ、れも持ってこよう」
「もしも昼から暑すぎた時に備えて、公民館をサブ会場としておさえよう」

など、たくさん心配りが出てきます。

また、会場のレイアウトを考えてみるときも、まずは並べて、実際に座ってみる。座ってみると机の角が気になるから、机の向きを変えてみる。参加者の気持ちになってみることをマーキーは大切にしていました。なんとなくいつも通りに準備しているレイアウトも、そこに座る立場が減ると、見え方を忘れてしまうかもしれないですね。

さらに、飲食のもてなしも。きょんは冷たい麦茶コーナーだけでなく、お昼に塩分がちょっと取れるように冷やし味噌汁を作ってくれたり、市販のアイスコーヒーだけでは味気ないから、コーヒーセット持ってきてくれたり。
当日の朝、ぼくが 緊張して浮き足立っている時も、2人は地面に水を巻いて会場を整えたり、トイレを掃除したり。

ここまでの心配りが合ってこそ、みんなが居心地よく自分を出せる安心安全の場は作られるんだなとあらためて実感しました。

机の向き一つでも変わる場づくり。実際座ってみるって大事
マーキー・きょんが作ってくれたベンチを使ってみんなでお昼休憩。和やかな時間がながれます。(そんな後ろで水やりをするマーキー。これも心配りですね)


4.問う→待つ→聞く


今回のワークショップの冒頭で、参加者のみなさんが抱える組織についてのお悩みを共有する時間からスタートしました。

マーキーに教えてもらった、ファシリテーションの3つの基本、【問う→待つ→聞く】

まずはマーキーときょんと一緒に考えた問いを出す

問いかけたら、あとは待つ。10分間、じっくり自分のこれまでの組織の課題について向き合ってもらいました。そうすることで、課題が少し整理でき、ワークショップで学んでみたいことも自然と見えてきたり。課題がある、うまくいかないということがあっても、実際に自分で振り返ったり、言葉にしてみることって、機会がないとなかなかしないものです。

問うたらあとは待つ。じっくり自分と向き合います

そうして自分で深めたものを、次はお互いに聞き合います。

今回はぼくがファシグラでまとめていきましたが、マーキーが途中でアドバイスしてくれたように、「描く」ってとっても強力な方法な分、使う場やタイミングを間違えると、逆に参加者を発言しにくくしてるかも・・・と考える機会ももらいました。
今回は考えが描かれていくことで、「そうそう、そういうことあるよね〜」「めっちゃわかる〜、そこが難しいですよね」と、自然に対話が始まり、深まり、気づけばお昼ご飯の時間まで話しこんでいました。いや〜楽しかった。

みなさんの悩みからどんどん広がる対話。楽しかったな〜


5.ファシリテーションは自転車に乗るのと同じ


参加者の中には、ファシリテーションについて学んできた人、そして、これから学ぼうとしている人など、経験はバラバラでしたが、午前のワークで「ファシリテーション」についてみんなの関心が高まっていたことから、みんなで深めていくことなりました。

マーキーは
「ファシリテーションは自転車に乗るのと同じ。ファシリテーションはやってみるもの。自転車の乗り方を6時間聞いたって、自転車には乗れるようになれないのと同じ。」
と話していました。
これは僕がマーキーに最初に教えてもらったことの一つ。マーキーのもとで学びはじめて2年半ほど経ちますが、ようやく分かってきた感覚でもあります。

とにかくいろんな場、いろんな人と一緒にファシリテーションをやってみること。
やってみてこそ、マーキーが言っていることが身に染みたり、少しずつ自分のものになってきている感覚はあります。(学び始めの頃は実践の場もあまりなく、すごく焦っていろんな本を読むことばかりで、分かったようでイマイチわからないような感覚がずっとありました)やっぱりやってみるのが一番。

ということで、午後はファシリテーションを体感できるように、それぞれ「問い」を立てるワークからスタートしました。

ファシリテーションや場づくりはその場の空気や温度感などいろんなものを五感で実感して初めてわかる気がします


6.「問い」は「自分と相手の間に立てる」


問いは自分と相手の間に立てる

ファシリテーションは、良き「問い」からはじまります。

それが基本で、それが要なのに、自分も全体のプログラムや場を整えることに目がいきすぎたりで、丁寧に「問い」が作れていないなーと反省することは多いです。

マーキーが、
「問いは自分と相手の間に立てると良い問いになる。問いを出す自分の方に寄りすぎると、相手には遠くなるし、相手に寄りすぎると自分とは遠くなる。ちょうどその間に問いを立てれるようになると、いい場になりやすいよ」
と話してくれました。確かにそうだ!と、すごく納得。
そんな問いが立てられるようになると、上に書いた、参加者みんなをお皿に乗ってもらうことができるし、全員が包括された、いい場になるんだろうなーと改めて感じました。


午後のワークでは、午前中の話をもとに、 1人1つずつ「問い」を立て、その「問い」をもとに15分間対話をすることを繰り返しました。

みんなが立てた、たくさんの「問い」

改めて「問い」を立ててみると、みんなその難しさに気付きます。

そして、それぞれが選んだ「問い」をもとに、ファシリテーターを変えながら対話をしていきますが、「問い」によって、そして、ファシリテーターの進行によって、対話の展開や深まりも変わってきます。これがマーキーが言っていた自転車に乗るということ。みんなが一度ファシリテーションを経験したことで、その本質に少し触れることができたのでは?と思っています。

せらっちのホワイトボードミーティングのファシリテーション。おもしろかった〜
大学院時代の後輩、けいごのファシグラ・ファシリテーションも楽しかった〜


7.やっぱりマーキー・きょんはすごい


参加者のみなさんとの対話から多くのことを学ばせてもらいました。
対話は本当に楽しかった。本当に。

参加者してくれた4人の皆さんには本当に感謝です。

そして、今回はじめて企画してみて感じたマーキー・きょんのすごさ。
知と経験に裏付けされたマーキーのワークや場、きょんがつくる安心安全の場。
やっぱり2人はすごい。

今回は周りが見えなくなる瞬間もたくさんあり、まだまだ見えていないところ、気付けていないところ、たくさんあったと思います。
これからもお二人からまだまだ学び続けていきたいと思います。


8.プロブレムをプロジェクトへ


今回の締めの言葉は参加者のようへいさんからもらった「プロブレムをプロジェクトへ」という言葉。

今までプロブレムや課題だと思ってマイナスに感じていたことも、見方を変えればこんなにワクワクできるのか〜と思えました。

うまくいかなかった反省や課題も次へのプロジェクトとして、ワクワクしながら良き場が作れるように、ますます成長していきたいと思います。


そして、何より。
土曜日の1日、ここに参加させてくれた家族に本当に感謝です。
いつもありがとう。

今回参加してくださった皆さんと!(撮影:きょん)



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