[映画]家族を想うとき

家族を想うとき

イギリスの巨匠ケン・ローチ監督です。

いやもう、本当に息が苦しくなる映画でした。
負のスパイラルというのは、まさにこのこと。

例えば冒頭。
職種を変えて、運送屋に勤め始めた父リッキー。
トラックのレンタル料を考え、自分の車を買うために、妻の車を売ることに。
しかし妻も、車がある方が便利な仕事をしているのです。
この段階ですでに、負のスパイラルの始まり。

さらには、家族が幸せに暮らせるように、夫婦して身を粉にして働いているはずなのに。
働けば働くほど、2人の子供との溝が生まれてしまうわけで。

すごく近い話なんですよね。
ここまでひっ迫している家庭は、そこまで多くないにしても。
今月を、今週を、一日一日を「金銭的に」必死に生てる人たちは、決して少なくないのです。 
それは、たった一瞬の歪みが、家計の破綻の引き金に。

家計の破綻=家族の崩壊。
とにかくリアリティがありすぎました。
息が苦しくなるほどに。

不器用ではあっても、悪人はいないんですよ。
家族全員。
だからこそツラさが増して。
それぞれが家族を想っているのに、その行動がマイナスに。

映画としては、すごく良くできてるなと。思いました。
だからこそ、観ていてめちゃくちゃツラかったです。

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