ポルトガル紀行 Ⅳ
2019年6月30日(4日目)
この日の朝は空気が少しひんやりしていた。
ホテルの近くのカフェがなんか良さそうだったのでドーナツ?とコーヒーで朝食。生地が軽く、クリームの色がきれいで美味しかった。
この日は、お昼のAP(急行列車)でコインブラに移動する予定だったので、午前中はのんびりとポルトの街を散策。日曜日だったので街も静か。
ここまでは目的地がある移動が多かったので、ゆっくりと街の雰囲気を感じながら地図も見ずに適当に歩く。
唐突にポルトの街が一望できるスポットを発見。カモメが街の様子を見ていた。
ここでぼーっと景色を見ていたら日本人の60代くらい3人組(女2+男1)が話しかけてくれて、写真も撮ってくれた。定年してからよく海外旅行に行っているらしくバルト三国がよかったと教えてくれた。旅先で日本人に会うのは、そんなに好きではないのだが、とても感じの良い3人組で、撮ってくれた写真がとてもきれいだった。
平和な日曜日。
ドウロ川の方へ向かう途中にポートワインで有名なワインセラーであるTaylor'sのギャラリー?があり、ピカソのドローイング展をやっていたので入ることにした。
版画とドローイング作品が50点ほど展示してあった。
ここでは展示を見た後にテイラーズのポートワインの赤と白を試飲できるサービスがあり、ゆったりとした窓辺の席で街ゆく人々を眺めながら頂く。これはワインの紹介としてスマートだし、旅行者からしても展示観賞後にワインを飲みながら優雅に時を過ごすのは余韻として悪くない体験だ。
こういう自分が嬉しかった体験は、自分が展示する場合や何か企画する時の参考になる。
ポートワインを初めて飲んだけど、甘くてぶどうの風味がすごく良い。赤は食後酒、白は食前酒として飲むことが多いとのこと。
帰国してから、ポートワインについて調べてみたら、イギリスとポルトガルの歴史的な関係や色々と知らない事が知れてよかった。
ドウロ川の対岸には30を越すポートワインの工場があり、ワイン蔵の見学や試飲もできる。ドウロ川の上流にはぶどう畑がありポルトガルの傾斜のある地形はぶどう栽培にとても適しているそうだ。
有名なドンルイス橋の方へ向かう。この辺はザ・観光地という感じで、観光客向けのしょぼいお土産を売る店が多かった。
ドンルイス橋はエッフェルの弟子であるテオフィオ・セイリグによる設計。上は電車、下は車が走る二重構造橋。
橋の上からの景色が素晴らしかった。ポルトは美しい街だ。
電車の時間が近づいてきたのでサンベント駅に戻る。日曜だからか人がすごい。
サンベント駅から急行列車が発着するカンパーニャ駅に移動し、駅の近くの食堂でパンと惣菜をテイクアウトで買い、コインブラ行きの急行に乗り込む。
車内でパンと惣菜を食べ、ビールを飲む。
車窓から流れる景色をぼーっと眺める。
旅先では、とにかくぼーっとする時間を大事にしている。日本での日常から切り離され、wifiもホテルで最低限しか繋がず、できるだけ何も考えずにぼーっと時間を過ごす。
意外と気持ち良くぼーっとするのは難しい。退屈でもなく丁度良くぼーっとできる場所やタイミングを普段からずっと探している。
たまに外国は言葉が通じないから苦手だという人がいるが、私からすると言葉が通じない、わからないからこそ、いい感じにぼーっとできるのにと思う。(仕事や勉強で外国に行く人には言葉が通じないのは不便だと思うが)
1時間半ほどでコインブラに到着。ホテルへ向かう。
1926年に創業のクラシックなホテル。アールヌーヴォーデザインのロビー。渋いエレベーターがあり、京都の東華菜館にある日本最古のエレベーターと同じタイプのものだった。
部屋からはモンデゴ川が見える。
少し部屋で休んでからコインブラの街へ。
続く
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