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写経とデッサン。うつすことで気づいたこと

久しぶりに、絵を描きました。今回のトップ絵は、自分で描いた鴨です。先日、掛川花鳥園へ行ったときに撮影したものを描き写しました。

鉛筆で形をなぞる。鴨の羽のふくらみや、頭の毛のなめらかさ、くちばしのつや、体の色の変化を、手が微妙な力加減で描き分けると、普段とは違う頭を使っているなぁと気がつきました。普段は思考してばかりの頭が、目の前の写真をいかに描き写すかを考えているのです。いつも使っている部分を休ませているような、そんな気分になりました。

糸井重里さんの「インターネット的」の中で、人は、脳という神経系と、筋肉系、消化器系のコラボレートによって生きている。これからの「知性」の仕事というのは、脳的な知性だけでなく、それ以外の感覚の可能性を探る必要がある。と、書かれていて、そうかもしれないと思ったのです。頭ばかり使っていると、バランスが崩れてしまう。とても頭が疲れるのです。

クリエイティブの反対語」という、哲学や仕事に関するポッドキャストの、「#172 写経のすすめ(ゲスト:宮田匠さん)」の回で、好きな小説の文章を書き写すことで、文章の起伏のつけ方や表現方法に気がつくことがあると話されていて、これも、脳を使うよりも手を使うことで得られる感覚だと思うのです。

中学生のころ、イラストを描くことが好きでした。好きな漫画家のコピーではなくて、オリジナルなものを作りたいと、中学生らしいひねくれたことを考えていた私は、途中で何も描けなくなってしまいました。今思えば、頭ばかり使って描いていたんだと思います。

ありのまま写す。無心に手を動かしてみる機会は、これからも意識して続けたいと思いました。

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