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君の膵臓を食べたい

 「君の膵臓を食べたい」を一日で読んでしまった。ただ好きな子が病気の末死んでしまうのではなく、恋愛小説としても『好き』の意味合いが今までと違って画期的だった。こういう関係の成り立ち方をなんと呼ぶか、わたしには分からない。新しい形の恋愛なのだろうか。ついに恋も論理的に話される時代が来たのか。

 ただ好きというだけじゃなく、お互い側にいる理由。うまく噛み合って築いた上の関係。いつ人が死ぬかなんて分からないから、余命なんて関係ないこと。死ぬのが怖くて、日常がほしかった彼女。
 
 『君の膵臓が食べたい』という彼の愛の言葉。

 とても深い本だった。たった四ヶ月。彼女を選んで彼は変わり、彼を選んで彼女は救われた。彼女が死んでも彼の生活は続いていく。新しくもなく今の延長として、彼女だけがいないまま。それでもこれはハッピーエンドなのだ。

 本当に面白い本だった。納得のベストセラーだ。

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