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カッパは悪魔か?

スーパードライの大ヒットで、アサヒがキリンから首位を奪ったのは、もう20年以上も前の話である。コクとキレをポジショニングの2軸におき、それを両立させることで、ドライ(辛口)というそれまでのビールになかった味わいを生み出した。
 
今でもマーケティングの成功事例として語られている、“事件”だが、実はこの時、すでにビール市場は飽和期を迎えており、市場は縮小し始めていた。ご存じのように、縮小する市場でいくら売上を伸ばしても利益率は低下するため、売上に見合う利益は上がらない。
 
一方、キリンは発泡酒市場の可能性を信じ、そこに設備投資するとともに、ビールの生産ラインを縮小させていたのだ。
 
これはマーケティングではなく、経営戦略の話なのだ。ものごとは一つの側面から見ただけではわからない。
 
ところで、先日スーパーで目にした奇妙なビール。発売したのは黄桜だが、酒税法の改正で、ビール市場が活性化すると読んでの参入だろうか。いかにもSNS受けを狙ったネーミングとパッケージだが、Z世代の目を日本酒に向かせようとする意志も感じられる。
 
ところで、カッパは悪魔か?

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