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無リスク資産を考える

資産運用を考えるとき、無リスク資産、という概念が出てくる。
リスクフリーアセット、などと呼ばれることもある。
もしも全くリスクがなく、つまり損をする可能性が皆無でありながら、確実にリターンを貰える資産があれば、そんな夢のようなことはない。

もちろん、現実にそのようなものはないのだが、現実に、身近なものに落とし込むと、銀行預金で代替して考えることが往々にして行われる。
尚、銀行預金をリスクがない、と考えられている方がいらっしゃるなら、その誤解はここで解いておきたい。

銀行預金とは、すなわち銀行への貸付である。
我々がローンを組んだら金利を支払うように、銀行は預金という貸付に対し、利息を支払っているのである。
万が一銀行が破綻し、債務不履行に陥るようなことがあれば、返金が保証されているのは1000万円までである。

預金額が1000万円以下ならいいが、1億預けても、100億預けても、保証されるのは1000万円までだ。
それに対して預金金利は0.2%(2024年現在)なのだから、随分なローリターンである。

補足として、銀行には預金の全額が保護される当座預金口座、という口座種別がある。
こちらであれば1000万円超でも保証されるが金利はつかない。



などと、銀行が悪かのような書き方をしたものの、実は証券会社からすると、この預金という商品は非常に優秀であり、羨ましい。
なんせ銀行が潰れなければ数字が減ることはないし、保証がなんだといっても、銀行の破綻を懸念するよりも、後述する運用商品の値動きの方が大きい
何より、いつでも入出金可能という、流動性の高さは評価すべきである。

しかし、それだけ優秀な預金といえども、インフレ2%が続く中において、抵抗力は微々たるものである。
2%の物価高が続くのならば、資産も2%ずつ増やさなくてはならないのだ。

以降でご案内する金融資産というものは、銀行預金のような無リスク資産(仮)に対し、どのようなリスクをとると、どれくらいリターンが増えるのか? という考え方になる。
無リスク資産で0.2%のリターンがあるのだから、リスクが少しでも高い以上、0.2%以上のリターンを貰わないと合理性に欠ける。
リスクを取らずとも、どれくらいのリターンを貰えるのか? ということを把握するのは、運用を考える第一ステップである。

そして運用をするのであれば、銀行預金(無リスク資産)よりも、ハイリスク・ハイリターンの商品を保有することになるはずだ。
一体何のリスクを背負うことになるのか、ということを考える必要がある。

尚、リスクフリーアセットに対し、以降の有価証券は、リスクアセット=リスク資産と呼ばれる。
リスクが付いて回ることが前提なのである。

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