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運用しないとどうなるのか?

早々にタイトルを裏切るが、そもそも運用をしなくて済むなら、運用しなくていいと思っている。
宝くじが当たったらとか、資産家だったらとか、そういう特別な場合の話ではない。
現在問題なく生活を送れており、今後も生涯に渡って望む生活水準を維持できるのであれば、運用などリスクの高い手段をとる必要はない
実際、これまでの日本において、運用をしなくとも人生を謳歌した人が非常に多いと思われる。
また現在、運用をしなくても問題なく生活している人が大部分であろう。

問題は、今後も変わらず生活できるのか? ということである。

現在、日本銀行においては、継続的なインフレ目標2%を掲げている。
つまり、毎年2%ずつ物の値段が高くなるのである。

ここで、よく金融のことを勉強している方にとっては、「つまりそれだけ現金の価値が下がるんだな」と理解いただけるだろう。
しかし、これは中々に直感的理解が難しい。
なぜなら、実生活において、銀行預金の数字が勝手に減るということはないからである。
より直感的なイメージを考えるなら、以下のような感じだろうか。


例えば、今現在あなた1人が一年間暮らすのに200万円がかかっているとする。
それで満足のいく生活ができているので、これ以上求めるものはなく、生涯この生活が送れれば何も不満はないものと考える。

2%物価が増えていくので、翌年の生活には204万円がかかる。
12か月で4万円の支出と考えると,あまり大きくないように感じられる。

さらに翌年は、204万円から2%増えるので、約208万円である。
まだ問題なさそうか。

さらに3年が経ち、5年目ではどうだろう?
約220万円がかかる。
20代の新卒5年目と考えると、1か月分の給料程の額が、物価上昇によって消費されたくらいか。

10年目だと243万円。

20年目では297万円。

30年目では362万円。

40年目では441万円である。

この辺りで現行の制度だと定年退職を迎えることになる。

前提を思い出してほしいが、あなたはこの間、直近過ごした一年と、全く同じ生活を40回繰り返している。
贅沢なんてしていない。
まして、家族が増えたり、親の介護をしたりなどという、支出を増えることも想定していない。

只々、同じ生活を送るだけで倍以上もの支出を求められるのである。

さらに恐ろしいことには、人生100年時代において、あなたの人生はあと40年続くということだ。
ちなみに、先ほどのシミュレーションをあと40年行うと、最終的には975万円にもなる。
とても老後が2000万円でどうにかなるとは思えない。

資産運用の目的とは、このような将来の物価高に対し、対策を行うことなのである。

本当に2%ずつ、数十年にわたってインフレが起こるのか?
そもそも何故日銀は国民を虐げるような、インフレ2%などという目標を立てるのか?
そのような疑問はまた別の機会に考えてみたい。

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