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「スペシャル街角ピアノ」を見て

 NHKBS3で流されている「街角ピアノ」は 私の楽しみにしている番組だ
今回は「角野隼人」を中心にスペシャルでストリートピアノを取材していた

 日本を離れ単身ニューヨークへ移住した彼
ショパンコンクールでも他のコンクールでも入賞している彼だったが、憧れのピアニスト(名前をメモしそびれた)のような「音」を求めて、今 切磋琢磨しているようだ。
 憧れのピアニストは70代、物腰もやわらかく人柄も申し分ない彼は 
クラシックピアノだけでなく、ジャズも弾くという幅広い人間味のある人格者の様だった。

角野隼人は そんな彼がかもし出す「音」を 求めている。
ショパンコンクールで角野隼人の演奏を聞き、憧れの先輩からSNSで賞賛の言葉をもらってからの交流があり、イギリスで憧れの先輩の演奏会を聴きに出かけた時、忙しい合間をみて 角野のピアノを聴いてくれた。
その時、角野隼人は敢えて苦手な単調な音で始まる「ショパンの バラード2番」を弾いた。
それは 特に「単調な音」に現れる憧れの先輩の音に近づきたい想いがあったから…
ピアノを弾きはじめる角野は 最初の音の鍵盤の上で やわらかく2,3度指を浮かせた。
心の準備もあっただろう、しかし 今から弾く音を空気の感触もくわえて
出したかったかのようだった。
弾き終えた角野隼人に 憧れの先輩は絶賛の中にも「それが よかった!」と言い残して会場にむかった。

 角野隼人はジャズも弾く。それは角野隼人の興味をそそるものでもあり、憧れの先輩の勧めでもあったのだ。

 「街角ピアノ」では ピアノが空港や駅に置かれているので、行き交う
大勢の人の耳がある。圧倒的な人の多さの中での演奏は とても勇気がいるしかし、
角野隼人はその中で演奏することを 常としていた。それは 彼の圧倒的な周囲の雰囲気にもまさる心の強さをつけるために…

 街角では ジャズを弾いた。
いろいろな国の歌手とのセッション! 
これは 世界を音楽でつなげる最も有効な方法だ

憧れの先輩から「勇気」をもらった角野隼人は
「街角ピアノ」で ラベルの「ボレロ」を弾いていた。
交響曲としてつくられた「ボレロ」を なんと、角野隼人は ピアノで弾いたのだ。

 ちいさな音律からだんだん大きく力強いタッチになっていく曲に 身体の華奢な角野隼人は 飛び上がらんばかりの全身全力で 交響曲「ボレロ」を弾いた。左手の単調なリズムが 全くぶれない
圧巻だった!
弾き終わった瞬時に湧く割れんばかりの拍手!

 私は 角野隼人はきっと「憧れの先輩に追いつき追い越す」と思った。
しかし、それは いろんなことを体験会得し尽くした先の年齢であることを確信した。

「街角ピアノ」を弾くのは どんな人でもいい!

取り分け 私の心をひきつけた親子がいた。
 小学生以下のような男の子が ピアノを見つけると一目散にピアノに走りよって鍵盤に触れた。後についてきた父親の顔をチラッと見上げピアノを弾き始める。上手とも言えないが かなり有名なショパンの「雨だれ」を弾く。
キレイな旋律の部分のみ、で 又別の私らが口ずさめる有名な曲の部分を弾いていく。
弾き終わった男の子を前にして 父親はインタビューに答えた。
「私たちは同性愛者の結婚で、この子を養子縁組して親子になってから 
この子が発達障害であることを知った。が、ピアノに興味を持ったので
「ピアノ教室」に通いはじめると、どんどん成長していった。先生も驚いている。この子には ピアノを通して大きく羽ばたいてほしい。世界でも宇宙でも…!」と、父親は 楽しそうにカメラに向かって言ったのだ。

 


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