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『君は君の人生の主役になれ』

サッカーワールドカップ、日本代表、お疲れ様でした!興奮と感動をありがとうございます。
ヨーロッパでプレイされている選手が多く、時代が変わってきているのが目に見えてわかり、とても頼もしく、ワクワクしました。

対クロアチア戦、120分後のPK。
あそこで、「自分が蹴ります。」と言える度胸。
勇気は、想像しただけでも、ものすごいですね。

スペインvsモロッコでも、PK。
まさかの結果に、PKの難しさを思い知らされました。

先月、11月4日(金)に、鳥羽和久さん著『君は君の人生の主役になれ』刊行記念トークイベントに、行ってきました。

本の帯には、「学校や親が重くてしんどい人へ」と書かれていて、10代向けかな?と思いつつ、今の学校の状況や、親と子どもの関係性の考察も知りたくて、読んでみました。(イベント後、すぐに書くつもりが、本を読んでから、と思ったので、いまさらに。。)

鳥羽さんは、福岡で寺子屋塾長として、小中高生150名余の学習指導をされています。
元々、本のタイトルには『10代を生き延びる』というフレーズを考えられるほど、今の10代は、精神が崩れやすく、切実らしいです。

子どもにとっては、慣れた環境、安心が一番大事ですが、それだけでは、やがて身動きが取れなくなっていきます。
学校に違和感を感じ、不登校になることも、ある種のレジスタンスですが、大人が「弱くてもいいよ。」としてしまうと、次のステップが踏めなくなるという問題もあります。

自由を阻害するものとしては2つ。
①校則などの物理的不自由と、②自分の欲望を他人に乗っ取られている不自由があります。
②は、親の理想や欲望を無意識に叶えようとしてしまっているという、見えにくい不自由です。
これは、自分でも気づいていないことが多く、誰かに指摘されないと、疑い始めることすら難しいと思います。


鳥羽さんといえば、BTS。w
『NO MORE DREAM』
ニーチェの次のメッセージと重なっている。
『世界には君以外には誰も歩むことができないたったひとつの道がある。その道はどこにたどり着くのかと問うてはならない。ただひたすらに進め。』

『Yet To Come』MVでの、海と砂漠に重ねての考察。海は希望、砂漠は絶望、この往復こそ大事で、アンビバレントで波打ち際にいるスタンスが、真実ではないか。
結論を求めたり、不を正に変えることが正しいわけではない。
「好きなことを見つけたらよい」と大人は言うが、好きの中に嫌いが混じっていたり、感情とは複雑なものである。

鳥羽さんの本を読んだ方から、「もっと方法など、はっきり書いてほしい。」、「毒親、親に対するジャッジが甘い、物足りない。」などの感想があったそうです。
『正解はない、だから走ってみよう。』と語るBTS。(結果的に答えは見つかる。)
目指す先のイメージは持ちつつ、調整していく、選択は何であってもよく、選択した後に、その結果を引き受けられるかが重要である。

若者にリアリティあるのが、ひろゆきさんの立場らしく。私はなぜ、ひろゆきさんがこんなに人気あるのかわからなかったのですが、『主義を持たず、その時気持ちいい方を正解とする』立場と聞いて、なるほど、私の違和感の正体がわかりました。

昔の学校では、個性豊かな先生がいましたが、今は、先生も一律、フラットであることを求められるようです。
生徒1人ずつにコメントを書いていた先生が、他の先生が同じようにはできないからと注意を受け、『見ました』だけに変えさせられたり。(シンジラレナイ)
うちの甥も教育学部にいるのですが、先生になるか迷っているようです。

フラットな先生では、学びは発生せず、生徒には「この人は、自分の知らないことを知っているのだ」という、謎の信仰めいたものが必要とのこと。
同様に、親もフラットな立場ではダメで、一方的に子どもに教える時期は必要。
親に押しつけられた価値観に苦しむ場合もありますが、やがていろんな人や本と出会い、他人の言葉から学ぶことで修正していけます。

人生の効率化、失敗したくない、正解を知りたい気持ちから、考えすぎて疲弊し、選択、行動できない人が多いと思います。
かつての私もそうでした。
成功できそうなことしか挑戦しない、だから結果もそこそこ、思考の枠内でしか動けない。
自分が選ばなかった道も、人生の指針になっている場合もあり、確実に今の人生に影響を与えている、だからひとつの選択をあまり特別視する必要はない。
チャンスは何回でもある。

ワールドカップを見ても思ったけれど、自分は困難からの勝利、のようなドラマが好きなんだな、パッション、エモーショナルなことを、体験したいんだな、とも思いました。

試合が終わったら解散してしまう、一期一会の日本代表チーム。
世代が変わる、4年後の未来に、夢を繋いでくれた。
敗戦の悔しさがあるからこそ、成長できるし、ドラマが生まれるんだよなぁ、と改めて思ったのでした。

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