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アニリミとかEDMとか作りたい② ミックスプラグイン選び

今回は自分がDTMを始めて2年半経って、ミックス(音の調整)でどんなプラグインを使ってるか情報をシェアしたいと思います。

こちらの記事の続きになります。


・この記事のターゲット

DAWソフトは持っていて、ぼちぼち曲を作って遊んでる初心者層

・見なくていい人

すでにiZotopeやWaves等々のミックス、マスタリングソフトを持っていたり、音のマスキングとか空間処理が身についている人

ちなみに、一つずつのプラグインに大事なことが多いので音源紹介よりも一つ一つの紹介が長いです。

iZotope Neutron3 Advanced

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先に補足を入れておくと、自分はNeutron2を半年使った後、Neutron3へ移行しましたが、その数ヶ月後にはFabfilterのPro-Q3へ移行しています。それでもなぜトップで紹介するかというと、ミッスクの勉強には非常に良いEQであることや、別に全然主力で使えるプラグインだからです。また注意ですが、「Advanced」と付いているグレードを入手して下さい。Neutronは複数のグレードがありますが真価を発揮できるのは「Advanced」です。良い点としては

①EQとしての基本機能はほとんど申し分ないぐらいある

②Neutronを差したチャンネル同士の周波数を同時に表示でき音が被ってる部分を上記のスクショの様にオレンジで表示してくれる

③その他追加機能が強い

④とんでもねえセールが多くて結果として安く手に入り易い

まず①について、これは基本的に周波数が見やすく各種形状のEQカーブを描き易いです。特にこれ以上説明することはないですね。

②についてですが、これは初心者にはすごいありがたいです。お気に入りのシンセの音をいっぱい詰め込んだら「なんだか曲がモコモコしてて目指している様なクリアな音にならない…」という壁にぶち当たると思います。そんな時にこれを各チャンネルに差して、音が被っているものを探して削っていくと音のクリアな楽曲を目指し易いです。振り返ってみると、この音要らなかったんだな…と反省することも多々ありましたし、今でも気づくことがあります。自分の耳を信じるのも大事ですが、初心者には目でわかるのはとてもありがたいです。複数のトラックにNeutronを差しておけばAIのミックスアシスタントでそれぞれのバランスをとった上でミックスを自動でもやってもらえます。これもまた勉強に役立ちます。

③についてですが、NeutronはEQではなく「ミキシングプラグイン」なので総合力が高いです。EQ以外にもコンプレッサー、トランジェントシェイパー、エキサイターが付随しています。トランジェントシェイパーは音のエッジを立たせるのに割と便利です。

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トランジェントは、簡単にいうと音の立ち上がりを左右する音の輪郭見たいな感じのものらしくアタックとは異なる様ですが、これを弄る事によって音にエッジを立たせることができます。周波数帯を自分の好きな点で3つに分けて好きな帯域のトランジェントを単独で弄れます。自分の曲になりますが、キックとSAWシンセにパンチが欲しくて高音域のトランジェントをブーストしています。キックペダルのビーターがバスドラムに当たる瞬間の「パチパチ」する音が強く聴こえると思います。

コンプレッサーは言わずもがなですね。但しエキサイターもそうですがコンプレッサーは専用プラグインには流石に使い勝手で負けるなという印象。とはいえ特に何かお気に入りのコンプやエキサイターを持っていないのであればこれで良いのではという印象。EQに話を戻すとダイナミックEQ機能もあるので便利です。それとNeutron3から搭載されたスカルプチャーがすごい良いとは聞くのですが、あまり自分はよくわかっていません。また、機能面での紹介が最後になってしまいましたが、恐らく最大の目玉であるAIミックスアシスタンです。先に紹介したNeutron内に搭載した機能をフル活用して「こういう音どうよ」と自動でミックスしてくれます。これがまた勉強になります。ちなみに、ステレオ感を広げる下のスクショの黄色で囲った部分の機能が地味に自然で気に入っています。

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最後に④ですが、とにかくiZotope社は気が狂った様にセールを実施しますので、何かしらのプラグインの最下位グレードをセールで手に入れて、更にセールで上位のバンドルへクロスグレードすることをお勧めします。ポイントは「1つの最下位プラグイン」から「上位プラグインが複数入った」バンドルへ安価にクロスグレードできる点です。自分もその様な流れでRX7、Ozone8を手に入れましたが、かなり重宝しています。やはりコストは重要な要素ですね。

悪い点というのも心苦しいですが、としては弱点はマシン負荷が高い点です。AIアシスタントをフル活用したいと思うと全チャンネルにぶっ差したい気持ちになりますが、そんな事したらまともにDAWが動きません。ざっくりツイッター等で他の方の使い方を見ていると、バストラック(簡単にいうと複数のチャンネルから音をまとめて入力しているチャンネル)に差してる人が多い様ですね。なんだかせっかくの機能が勿体無い気がします。また、自分が気づいてないだけなら逆に教えて欲しいのですが、M/S処理が出来ない点が惜しいと思います。とはいえiZotope社としてはマスタリングの時にOzoneでやってね、というスタンスなのかもしれません。これは個人的な趣向ですが一音源単位でサイドの調整とかしちゃうので逆にこちらの方がダメなんでしょうね…。

冒頭で他のプラグインに乗り換えましたといいましたが、とてもお勧めなプラグインです、ホント。

Fabfilter Pro-Q3

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またもや有名どころですがやはり強いです。良い点としては

①EQカーブが凄い描き易い、かつダイナミックEQ機能がある

②Neutron3と同じくマスキング確認機能が付いている

③M/S処理、L/R個別EQが可能

④Neutronよりは動きが軽い

まず①についてですが、グラフィックが綺麗でEQポイントの移動がかなり滑らかなので意図したEQ調整がやり易いです。割と他のEQは何だか動きがスナップ効いていてポイントの設置がやりづらかったり、カーブのかけ方や1ポイントの有効範囲の設定がとても容易で精密なイコライジンができます。とはいえ私の場合はどんぶり勘定でざっくり位置決めするのでそこまで恩恵は大きくないのかもしれませんが…。また、ダイナミックEQが付いているのも良いですね。

②についてはNeutronと同じく差したチャンネル同士で上のスクショの様に音が被っている部分を赤く表示してくれます。便利です。

③について、先に補足するとここで説明する内容は個人的にも懐疑的ですが今現在自分がよくやっている事です。マスタリング下準備ために1シンセ、音源単位で立体感をまず整えるのですが、これが一つのEQプラグインで出来ると楽です。理由としては最後に2mix音源全体にイメージャーを差す時にどうしても個別に調整しておかないと、不自然な音の広がりになるためです。L/Rのイコライジングも立体感を演出するために役立ちます。左右のほんの少し周波数の位置をブースト/カットすると立体感を出せます。いずれも生音系の音源に最も有効な印象です。

④最後に動作についてですが、何れにしてもPro-Q3も動作の軽いプラグインではないのは理解した上で、まだNeutron3よりは軽いので「まだ差せる」という印象。

まとめ

いろいろ考えましたが、この記事は上記二つプラグイン紹介で締めます。リバーブとかも入れようか迷ったのですがきりがないので…。あと慣れてくるとおおよそは大抵のDAWについてくる付属プラグインでなんとかなります。あくまでも上で紹介したのは初心者層には学習の時短(時間短縮)という点で効率が良いだろうという話になるのかなとも思います。もちろん上級者にとっても有用なプラグインには違いないのでオススメなプラグインに間違いありません。

補足

上記で紹介で、ミックスに大抵は必須になるであろう「コンプレッサー」単体の紹介をしませんでした(Neutronには内蔵されていますが)。基本的にコンプは好きなものを使えばいいと思うという本末転倒な意見を言うとともに、自分は可能な限りコンプを使わないようにしてる…と言うか使いこなせていないのが現状です。強いて言えばEQ処理後でもどうしても要らない音の成分が取り除けないと言う時にマルチバンドコンプで抑え込む処理をしています。例えば特定の音域の音が他のオケから飛び出してしまう、耳に突き刺さる感じがする時ですかね。

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一応紹介すると自分はFabfilterのPro-MBを使用しています。バンドルで買ったら付いてきたからってだけなんですが、視認性が良くて気に入っています。

コンプレッサーには音を華やかにする(=ラウドネスを上げる)といった使い方もあり、それの機能が欲しい方はXfer RecordのOTTを導入してみましょう。なんてったって無料です。ただし、個人的にはラウドネスを理解してから導入した方がいいのかなあと感じます。

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