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仙骨と私 その17

圧倒的な喜びの奔流が仙骨から突き上げてきて、私は皿を放り投げ、水も流しっぱなしのまま、もう狂ったようにキッチンで踊りだした。

1ミリの迷いもなく次々と溢れだしてくる動きは、ベリーダンスのような部分もありつつベリーダンスとはまた違う、完全なる「私の踊り」だった。

床を叩き、転げ回り、止まらない動きにただただ突き動かされて、曲が終わると私は床に倒れ込んで号泣していた。

初めて自分の魂に出会った、と思った。その晩は喜びが溢れすぎて一睡もできなかった。

そうして突然、型とは関係なく溢れ出す踊りが踊れるようになった私の、その奉納舞を見て「踊り方を教えてほしい」という人が現れた。

だけど、ついこの前までスットコドッコイなベリーダンスと格闘していて、やっと少しそれらしく踊れるようになったぐらいの私だ。ついでに子供の頃習っていたバレエもかなりのスットコドッコイだった。

自分の踊りは、踊れる。そこには何の迷いもないし、どうやら見た人を震わせることができるようで、私の踊りを見て泣く人たちが現れ始めていた。

教えてほしい、という人が続々現れたけど、いやいやこんな私が踊りを教えるなんて、とビビり上がってしまった私は、そのやり方を人に教える決意をするまで、そこからかなりの年数を要した。

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