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司法試験予備試験 行政法 最判平5.2.18

問 題

Y市は、マンションを建築しようとする事業主Xに対して指導要綱
に基づく教育施設負担金の寄付を求めた。Y市の指導要綱には教育施
設費用の負担の他、事業主が要綱に従わない場合には上下水道等の必
要な協力を行わない旨の定めがあった。すでに公園用地として所有地
の一部をY市に無償貸与していたXは納得がいかなかったが、右負担
金の減免・分延納を懇願しても断られ、結局マンションが建てられな
くなることをおそれて、指導要綱に従い寄付を行った。その後事業計
画は承認され、建築確認がなされたが、XはYの教育施設負担金納付
の指導が違法な公権 力の行使であるとして国家賠償を請求した。
Xの請求は認められるか。

関連条文

行政手続法
2条6項, 8項ニ(1章 総則):定義(行政指導、行政指導指針)
32条(4章 行政指導):行政指導の一般原則
国家賠償法
1条:公権力の行使に基づく損害の賠償責任、求償権
2条:公の営造物の設置管理の瑕疵に基づく損害の賠償責任、求償権

一言で何の問題か

行政指導に基づく国家賠償請求

つまづき・見落としポイント


答案の筋

国賠請求に当たり、「公権力の行使」「違法」に関しては適法であるも、そもそも行政指導は相手方の任意の協力のみによって実現するものであるところ、強制にわたっており違法であるため、請求は認められる。

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