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午前10時の映画祭「隠し砦の三悪人 4Kデジタルリマスター版」

新潟在住時から大好きな企画で、ちょくちょく観に行ってたのが、この「午前10時の映画祭」です。10年を機に一旦終了しましたが、新たに再起動しまして、今年4月から1年に渡って行われています。一度7月に「シャイニング 北米公開版」を観に行きまして、今回二度目でした。

新潟ではT-JOY新潟万代が会場ですが、大阪ではTOHOシネマズなんば(別館・旧東宝敷島)で上映されています。

以前から思ってたんですが、旧作上映なので実際ロードショー作品に比べたら集客が見込めないのは分かりますが、せっかく昔の名作をスクリーンで見られる機会なので、出来たら大きなキャパ、大きな画面のスクリーンを使用してほしいところですが、シネコンの中でも小さいスクリーンというのが何処も同じのようです。
って事で、画面が小さいから前方座席を選ぶんですが、小さい画面だと、スクリーンの点々(凸凹)が目立つのですよね。。。なんとかならんものか。。。と思います。

さて!
春先、スケジュールが発表されてからずっと待ち侘びていたのが「隠し砦の三悪人」でした。
あのルーカスが、今作を参考にして「スターウォーズ(エピソード4)」を作った事は有名です。
自宅には勿論DVDも有って、何度も見た作品なので、大体中身は覚えてます。それでも大きな画面で見る希少な機会です。なによりも4Kデジタルリマスター版!新潟時代は、4K作品でも映写機の都合なのでしょう、2Kダウンコンバートでの上映でしたので、さすが大阪!という感じで期待していました。

東宝マーク(TOHOスコープ版)の後、画面いっぱいに題字が出てオープニングクレジット。そして、ファーストカットは荒野をトボトボ歩く百姓二人。ココから息を呑む鮮明さで驚きました!画面の隅々までクリア!DVDのメイキングで話が披露されてた加藤武さんの落武者、戻ってくる馬群の一頭の蹄が鎧に触れてあわや!という所、その後、藤原鎌足と千秋実の芝居のあいだ、両手を上げたまんま死体姿で耐える様子もハッキリわかりました。息してお腹が上下してる(笑)。

隠し砦へ向かう蓬莱峡ロケのガレ場も岩粒の一つ一つが分かりますし、夜営のカットでは、今まで気づかなかった夜霧のようなモヤもふんわり見えました。期待以上の精細な画面!
峠の上から見下ろす広大な原野も淡く美しい!

そして驚いたのは、上原美佐さんの雪姫。
トップに貼った雨宿りシーンで寝る姿。
太腿の艶めかしいツヤがとてもリアルでした。
勿論、又七&太平の汗ドロドロで穴を掘る姿もリアルでしたけどねw

なんというか、モノクロ画面なのに色彩を感じるというか。そして、精細でクリアなだけに、63年前という気がせず、21世紀の現代の劇映画を見ている錯覚さえしました。

音響面では、やはり上原美佐。元々芝居はど素人だった上原美佐のキャンキャン声、DVDではイマイチ聞き取り辛かったのですが、とてもクリアでした。金の延べ棒のキーンという金属音も綺麗でした。

一部、オリジナルネガが見つからなかったカットでしょうか、粒子が荒い部分もわずかに有りましたが、見事な復元に拍手を送りたいと思います。

黒澤さんが初めてシネスコ画面を導入し、時間とお金をしこたま掛けて作った娯楽時代劇、大いに楽しませて貰いました。公開当時にタイムスリップして、満員の封切り館で見たかった!いや、当時の映画館の設備を考えたら、今の方が監督の望んだ理想の環境で鑑賞出来ているのかも?

あと1週間上映されていますから、是非、この機会に大画面で楽しんで欲しい作品です。

1日に午前一回だけの上映なので、普通にお勤めの人は明日、日曜がラストチャンスかも?
因みに10月1日からは同じ黒澤作品の「赤ひげ」です。

▪️午前10時の映画祭 公式サイト

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