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熊野街道の記録(第四弾 岸和田〜山中渓)

兎に角、大阪府下の熊野街道は府道を始め、クルマも人の通りも多い舗装路が続くので、歩いて楽しい事は殆ど無くて、それ自体が修行みたいです。それでもガイドマップで辿りながら歴史的な碑とか見つけると、宝探しやポケモンなんとかみたいな嬉しさが一瞬有ります。

そんな気分で、当初はお散歩程度の気持ちだったのが、どんどんウォーキングになり、トレッキング意欲(つまりは中辺路詣で)も膨らんでいったのでした。前回(第三弾)から僅か1週間、天気予報で晴れるのを確認して、早朝4:30起きで臨んだ第四弾です。

▪️2020/12/20(日)天候 晴れ時々曇り

阪和線で東岸和田駅へ向かい、駅のコンビニでおにぎり等購入、歩き出したのが午前8:00。
ひとまず、ビュンビュン車が走り抜ける府道(通称13号線)を南下します。

程なく貝塚市突入。完全ホームです。実家暮らしの頃は普段からクルマで走ってた区間。まさか徒歩で縦断するとはw この谷を下り津田川を渡り向かいの坂を上がれば東貝塚駅のそば、半田地区です。堂の池の信号で左折し、目の前の溜池への細い坂を上がれば熊野街道の細道。いや、普通の池の上の道ですから、地元の人も知らんかも?そんな事を考えながら歩いて数分、左手に小さなこんもりした丘が。

貝塚の小学生なら学校で習う「半田の一里塚」です。こういう木々も茂って原形を留めた一里塚は珍しいんだとか。ぱっと見、ふぅ〜んって感じですけどね。
この先、住宅街の中を抜けて自動車学校に突き当たると右折。府道を渡り、海側の細い道へ移ります。麻生中(あそなか)の村ですな。水間街道を渡れば石才(いっさい)ですわw 水鉄(水間鉄道)の単線の踏切を渡り、ウニャウニャとした村中の道を通過、貝塚中央線の高架をくぐって墓の横の坂を下れば、またまた府道交差点を山側へ渡ります。グッと谷を下った所で近木川を渡り橋本の村中の道を一気に上がります。昔、阪神高速湾岸線で帰宅した頃は、貝塚中央線を右折してこの細道をガーッと上がったもんですw だからホーム。
抜けた所の信号を渡ると阪和線の和泉橋本駅のホーム裏に突き当たります。
大阪府のガイドマップだと駅手前の踏切を渡って地蔵堂の村へ入るんですが、実は小学生の頃教わった、正しい熊野街道は、阪和線で途切れるこの細道。阪和線のホームの向こうに繋がり、旧テイサンワイヤーロープの工場(現・イオン敷地内)の中を突っ切って、南近義神社の坂の下の道を泉佐野方向に伸びる斜めの道なんですな。
正しい物は正しいので、本来のルートを辿ります。ココらは秋の祭りでは、地車のやり回しスポットです。イオン前の交差点は地蔵堂の村へ入らず府道の歩道を暫く歩き、下り坂の途中で斜め右に折れます。
数分歩けば小さな森が右手の上に見えます。 
南近義神社。午前9:20。碑は無いですがココが近木王子です。

コレは境内中の鳥居です。入口の鳥居、昔はこのサイズでしたが、いつしか巨大化、地車が宮入りの時は境内まで突っ込めるようになりました。

軽くお参りして、先へ進みます。
というのも1時間以上歩いて尿意がw 境内にトイレが無かったのでした。近所の26号線沿いのコンビニは朝の客でトイレが空いてない!
仕方無く街道に戻り南下、見出川を渡って、さっさと泉佐野市に突入します。何故か川下へ向かって貝田の村中を進みます。
右手に溜池を見ながら行くと府道の広い交差点。斜めにまっすぐ渡り、さらに進むと
ループ状の大きな歩道橋が有る26号線の大薮池交差点。早足で渡ったらファミマ!!
急いでトイレに突入しました。。。。
ほっ。

このコンビニ前は、来た道から言うと左折して府道を進みます。じんわり海の方に近づくルート、山中渓ノ峠へ向かうはずなので、妙な違和感が有ります。大きな交差点でも「→泉佐野港」の表示が出るくらい海に近い訳です。
府のガイドマップで「白と赤の鉄塔を左へ」と書いてあるので、遠くに見える鉄塔を頼りに進みます。確かに送電の高い鉄塔の真下、左折する大きめの交差点が有りました。暫く行くといきなり道幅が狭まり、右手に見えてきました。
佐野王子。10:25。

ゴッホの絵みたいな少し斜めに流れた形の木が渋いです。そばの角に手作りの説明板が有りました。
さぁココからは、ほぼ道なり。区間によっては整備された広い道になる区間もあるものの、昔ながらの細道沿いだと旧家が並んでて、時々歴史街道です。

佐野王子を頂点に、道は山の方へ素直に向かうようになります。JRと高速の関空への高架をくぐると、次第に視界が開けて和泉山脈と裾野の田んぼが眺められます。
2枚目の写真、日根神社御旅所の先で広い道に突き当たります。その手前の小さな公園で、朝、コンビニで買ったおにぎりを食べて休憩。11:20。
長南中学校前を通過して暫く歩くと急に道幅が狭まりクルマの離合も難しそうな村中の細道に。古い町並みをウネウネ進むと、グッと道が左へカーブ、明治大橋で樫井川を渡ると、長い長い泉佐野市区間を終えて泉南市に突入。
いつの間にか泉州平野の南端部分で急な坂を上がります。右手に一岡神社の広い境内、左手に古代史博物館を見ながら登りきれば、またファミマ。トイレタイム。12:00。 

このコンビニ前でY字路の合流となり、その先のY字は左へ。更に登りの細い道が続きます。
ココからは信達の宿場町跡の趣ある町並みが延々続く区間。あちこちに説明板が有ります。
このクリスマス前の時期、町のあちこちに初詣の幟が立っています。それに誘われ寄り道。右手の細道に折れ、裏通りにある市場稲荷神社にお参りしました。12:20。

長い長い信達の宿場町を通過した所、右手に有るのが信達王子。趣き有る祠とベンチが有って、小休止。もう一個のおにぎりを食べました。写真が無いのが残念。

この先、広い道幅で竹藪の丘を切り通しで通過、坂を下った先、溜池の交差点に道標が有り、街道は左の細い道を取ります。
見通しの良い阪和線の盛り土区間のガードをくぐり、渋い村中の細道を通って行きます。と、その先は最近整備されたような4車線の広い道と交差。阪和道の泉南インターと26号線バイパスを結ぶ道です。
今度はココでローソン。またまたトイレタイム。完全にこの日は、自分にとっての「王子」がコンビニでした。午後1:00。
ココでリュックを背負ってランニングするご夫婦を発見。この先、和泉鳥取辺りで追い抜かれたので、多分、熊野街道を走って訪ねてる人たちなんでしょうね。

コンビニを後に細い坂を上がると広めの道に合流。軽い峠道のように藪の中をウネッと越えると和泉鳥取。坂の途中に造られた住宅地、無理からに作ったようなカーブ途中の駅です。
駅前に有る鳥居は波太神社遥拝鳥居。
神社自体はもっと山の下に有ります。
街道筋は、どんどん山へ向かって進みます。
狭い谷間を、阪和線、阪和道と並びながらウネウネと少しずつ標高を上げます。ふと谷を見下ろすと綺麗な渓谷も。柱状節理が大阪府下で見られるとは。
所々、無粋な工場もある中、確実に峠へ向かって攻めて行くと、趣きある石畳の分かれ道。

今回は山中渓駅で終わりなので、街道筋を取らず、広い道をそのまま上がり、駅へ直行。
右手には桜の木の並木が続くので、丁度今頃の時期は綺麗に咲き並んでいる事でしょうね。
午後2:20。

駅の前まで来たら、昭和にタイムスリップしたような駅前食堂を発見!無意識に暖簾をくぐってましたw うどんを頼むとおばあちゃんが、コレまた昭和そのままの平たい湯呑みに薄い(笑)お茶を注いでくれました。
二人の先客のおっちゃんは、どう見ても近所のお馴染みさん。変なハンチング帽のリュックのにいちゃんは異邦人に見えた事でしょうね。
店内には「やぐら」のカレンダー!
そう、阪南以南は地車文化圏から、やぐら文化圏に移っています。ちゃんと「山中渓」のやぐらの写真も有りました。って事は、下の波太神社まで宮入りして、さっき登って来た坂を延々上がって村に帰って来るって事なんでしょう。青年団も大変ですねぇ。

思えば、この日のルートは、全編だんじり&やぐら文化圏。秋の祭りの日に歩いていたら、何処かしらで地車に遭遇してた筈です。

詰まらないアスファルト舗装の生活道路ばかり、と思ってましたが、なかなか味わい深い、変化のあるルートでした。
さあ、ココからは先は雄ノ山峠を越える道、その先は和歌山県突入で本格的な熊野古道がスタート!という事でココで区切り、取り敢えずトレッキングシューズを探そうと思った年の瀬の一日でした。

約23キロは、この時で最長でしたが、何せ普通のスニーカーでしたから、脚の疲れも半端無かったんですね。
年明け、なんばCITYのモンベルでトレッキングシューズを購入する事になります。

ちなみにココまでの大阪府下区間はトータルで65キロ。今回歩き直した区間で修正しても67、8キロくらいです。総延長250キロから見れば、まだまだって感じですが、当時はある種の達成感で充実してましたっけ。

でも、熊野本宮大社まで到達するのは、半年以上先だと考えてましたから、ウォーキング熱のハマり方も加速していった訳ですよね。
人間って不思議だw

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