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熊野古道の旅 第7弾

ええ天気そうな週末なので出掛けることにしました。前回の徒歩旅からは2週間インターバルなので、あんまり季節感は変わらんやろなぁと思ったので、しっかり厚着して早朝家を出ました。
もうすっかり早朝の阪和線も慣れました。
前回のゴールが湯浅駅。
うまい具合に朝6時台、天王寺始発の湯浅行の快速が有ります。日中の紀州路快速は熊取以南各駅停車ですが、コレなら和歌山まで快速運転してくれるので幾分早く着きます。

午前8:40湯浅駅出発。既に立派な新駅舎が有りますが、かつての駅舎もこのように残されています。

前回、生しらす丼を頂いた「かどや食堂」さんの角を左折、JRのアンダーパスをくぐって、細い道を進みます。数分歩いてお寺の角を曲がると紀伊國屋文左衛門の石碑。

その先、国道42号線を渡って数m坂を上がった所に所に久米崎王子が有ります。

古道は戻って国道沿いへ、20m程南、橋の手前を左折した方へ。斜め右、川沿いの細道が古道。いや、歩き始めて数分ですが既にじっとり汗がw 早速、ダウンのジャンパーとフリースを脱ぎました。

紀州はすっかり春?!梅も綺麗。
ほんわかした里道を川に沿って上流方向へ東進。ホンマに和歌山は山地が居座り、海岸まで山並みが攻め入ってますから、昔の人は南下するルートを探すのに苦労したと思います。遠くに42号線も同じ方向へ向かっているのを見ながら進むと段々近づき、橋を渡った所で合流。国道を渡った南側につづく古道を行きます。
里山の風景をぶち壊すように山並みを貫く湯浅御坊道路の広川ICの裏側を回り込むような所に津兼王子の碑があるようですが、特に何も無いらしいのでスルーして、国道沿いのローソンで小休止。午前9:20。

さらに国道を数分南下すると、恐らく自分より先に湯浅駅を出発したっぽいご夫婦が反対側の歩道を歩いてはりました。多分津兼王子を見て来た内に自分が追い越したんでしょうね。
国道から旧道を取り、数分リードして歩を進めると。。。

沿道の企業さんによる「癒しの水」がこの先あるとの事。寄り道してみました。

ちょろちょろ出る湧き水と蛇口が並んでまして、蛇口の方から空のペットボトルに注ぎました。歩きながら飲んでみたら「臭っ!」温泉ぽい湧き水!冷泉でしょう。ミネラル豊富でしょうが飲むには臭い。御免なさいしました(苦笑)。

湯浅御坊道路の高架を潜る手前、県道を横断、橋を渡った右手直ぐに今日1つ目のスタンプポイント、河瀬王子。午前9:50。

写真では完全に影になりましたが、巨大な岩が鎮座している立派な王子。ひと息ついてると、先程のご夫婦に追い付かれてご挨拶。
例の癒しの水の寄り道の間に追い付かれたみたい。って事で、先を急ぎますw

ここから緩い登り坂を南下。かつての旅籠跡が続く集落を抜けると山肌が迫り、鹿ヶ瀬峠へ。
紀伊路最大の難所とガイドに出てたのでビビりながら坂を登りましたが、ずっとコンクリート舗装なので楽々。
谷の向かい側には国道42号線がウネウネと登っています。こちらも結構な斜度で上がりますが、前回、海南の藤白坂や拝ノ峠のエグい坂に比べればマシ。木立の間からお日様も覗く快適登山。

残り710mの道標辺りで空が開けます。
斜度が緩やかになり、汗も少し引いた頃、大峠頂上。午前10:45。


昔は峠の茶屋が道の両側にあったそうで山頂なのに広々した広場でビックリです。ココで汗を拭き、ゆっくり休憩します。ホンマなら現代こそ茶屋が欲しい。自販機が欲しいw
例のご夫婦、追いつくかなぁ?と待ちましたが来ませんでした。50分で登るのは急ぎすぎましたかね?ガイドには1時間10分って書いてました。

薄暗い木立の下り坂に一歩入ってビックリ。
登って来たコンクリート舗装とは全く違う細い地道!ソレも落ち葉や崩れた石片が危険!恐る恐る急坂を下ります。左手の崖も怖い!


そして小峠という小さい広場からは古い石畳に。

急な坂に石畳、登りは良いでしょうけど下りは大変!さらに歩速はダウンします。下のほうからご夫婦が。ご挨拶すると、下にクルマを止めて石畳だけ歩きに来たそう。そうですよね。天満橋から延々徒歩で行こうとする奴の方が珍しいでしょうw

数百年前から有る500m程残るこの石畳の坂は熊野古道でも最長だそうで、やっとこさ終わった所は段々畑状に整備された公園で、ベンチも置かれていました。

山里道をゆっくり下ると金魚茶屋駐車場が出てきました。先程のご夫婦もクルマを止めた場所でしょう。水洗トイレも灰皿も置いてます。午前11:45。
南方向へ谷が明るく開けてるので、お昼ご飯は後に回そうと思って小休止に留めて再び歩きます。
今日唯一の峠道はクリアしましたから、楽な気分で歩き始めたものの、何処まで行っても谷間の道が終わらない!

幾つもの王子などをチェックしつつ、県道と古道を交互に歩き、谷を下ります。
今は気軽に御坊の街へクルマでお買い物に出掛けるクルマが行き来してますが、昔は狭い古道の道しか無かったんだなぁ。。。なんて思いつつ歩いていたら、不意に電車が爆走する音が山並みに響きました。あ!紀勢線まで下りてきた!

今日2ヶ所目のスタンプポイント、高家王子(内原王子神社)。12:50。
ヘロヘロの脚を休め1時間遅れのお昼、社務所前のベンチでおにぎりを頂きました。
神社のすぐ裏が紀勢線の線路で、徒歩数分で紀伊内原駅です。

ガイドではココまでが一日分の終点ですが、まだ早いので、更に先へ進みます。
真っ直ぐ南下すれば御坊の街ですが、ずっと沿ってきた川に別れを告げ、今まで左に見ていた尾根を回り込むように東へ方角を変えます。
御坊の街を見下ろすように小高い丘の裏へ回る感じです。この辺はすっかり住宅地。建売住宅地もチラホラあります。
海南〜湯浅はみかん畑ばかりでしたが、ここまで来ると「梅」。ほんのり花が咲く姿は見ててホッとします。

一つ二つ丘を越えたら、なんとも古めかしい祠が木立に囲まれてひっそり有りました。善童子王子。かつての姿を残しているようです。

その先、Y字の分岐には石碑と大きな一本の木。趣あります。

この辺りの道標は小さく目立たないですが、細かく行く道を書いてくれてるので有難いです。

そんな道標に戸惑ったのが愛徳山王子。
普通の民家の裏の畦道みたいな幅50センチ程の盛土を進めと書いてます!なんだこりゃ?!と恐る恐る進んだ横手の竹藪に囲まれた空き地にこの石碑が有りました(苦笑)。
古道にも程があるww

車道に戻り、神社の山を回り込んだら田んぼの先の山の上に大きなお寺の瓦屋根が見えました。安珍清姫でお馴染み道成寺です。午後2:25。

ココが3つ目のスタンプポイント。
先月始めた御朱印帳を持参して良かった。

やはり神主さんよりお坊さんの方が達筆な気が(笑)。まぁサササっと書かれるので余計にそう思ってしまいます。



ベンチで一服してるうちに脚の痛みが。
前回は峠3つ越したので、峠1つの今回はまだまだ行けると思ってましたが、その一つが強力だったせいか、疲れが半端ない。
気持ちも折れ気味。
一応電車の時間だけ見ようと、参道に下りてJR道成寺駅へ向かいました。丁度10分待ちで1時間毎に走る各停が有ったので、今日はココまで。

無人駅ですが、駅前に昭和天皇行幸記念の木が植えられていて、ホッとする風景でした。
電車でひと駅、御坊で下車。
駅前食堂で飯でも食って帰ろうと外に出たら、何も無し。土産物屋、ビジネスホテル、コンビニ。それだけ。うーん。
仕方ないので土産物屋のイートインスペースで珈琲飲んで時間潰してパンダくろしおに乗って帰路につきました。

土産物屋の奥さんに聞けば、国道42号線まで出ればロードサイドに色々店が並んでるようで。紀州鉄道のディーゼルカーで数駅進めば、色々有ったそうです。この辺は次回の徒歩旅へ持ち越しですな。

って事で、今回は21キロちょっと。前回より距離は稼げませんでしたが、紀伊路最大の難所はクリア出来たので、ひと安心です。
この後は海沿いメイン。
いよいよ春らしい季節なので、いい天気の日を選んで向かいたいと思います。

天満橋からのトータルで146キロ。紀伊半島を引きで見たら、熊野古道の半分以上来たようです。でも、この先、山道ばかりの中辺路が有りますからね。そういう意味では、もっと足腰を鍛えたい所では有ります。

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