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イップス治療で知られる整骨院の施術を受けてみて

 5月の連休を使ってイップス治療で知られる整骨院の施術を受けてみました。
 こちらの整骨院さんはフォーカルジストニアについてのユニークな原因仮説として、本来自分が持っている動きではない動きをすることで、筋膜にある間質液の配列に偏りが生じてそれが運動障害を引き起こすという末梢障害説があります。そして、その間質液は寒いとハチミツのように固まり、温かくなると滑らかになる性質があるというのです。だから整骨院では、間質液の配列の正常化を目指すとしています。
  冬になると手が悴むという現象は誰にでもあると思いますが、私のフォーカルジストニアのような症状のある右手に関しては、その現象が左手と比較しても異常なほどで、手を温め、音階練習等を入念にしないことには通常弾いている状態にならないといった状況がありました。寒くなったときの右手の悴みようが半端ないので、一体どうして?と思っていたところで石井整骨院さんの原因仮説を知り、一度施術を受けてみたいと思ったのでした。
 全体でおよそ3時間程度の施術でした。施術の全体の流れとしては、まず酸素ルームに入る高酸素療法を受け、その後、丁寧で徒手的な施術を2時間程度受けた後に、酸素ルームに入り、今度は低酸素療法を受けました。施術中は、フォーカルジストニアについての新理論についてご執筆中の文章の紙を左手で持って読みながら、右手の施術を受けていました(笑)。口頭で説明も受けながらでしたので、理論は頭から入り、体で実体験をできて、面白かったです!
  施術は結構痛くて、逆にピアノを弾けなくなっていたらどうしよう…と不安でしたが、翌日ピアノを弾いてみたところ(その晩は近くのペンションで一泊し、翌日帰宅しました)、主訴としていた拇指の動きがなめらかになっている印象でした。しかし残念ながら、勝手に曲がる現象が消えることはなかったでした。あともう1点の変化として、中指、環指、小指に説明の難しい感覚的な変化がありました。そのため、手全体のバランスが悪くなり演奏のしずらさが増しているようでした。ただそれは一概に悪化とはいえず、むしろ3指の筋力強化のための余白ができたようにも思えました。
 そうした感覚的な変化があったため、この1か月は、3~5指を使用する頻度の多いショパンのワルツを弾いてみたりしましたが、以前に比べると、3指に力が入りやすくなり、運指が安定しやすくなってきたような感じがします(気のせいなのかもしれないですが…)。
 

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