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せん妄について

 参考・引用文献:上野秀樹2015「認知症の診断と治療⑧ 精神疾患等、その他の疾患・症状との鑑別」OTジャーナル49-7:616

○せん妄状態とは
 意識レベルの低下を背景に、不安、いらいら、不眠を伴い、幻覚や妄想を認めたり、興奮状態となったりすることのある状態

○せん妄状態の理解のための2因子モデル
 2因子モデルとは、せん妄状態を、「準備状態」(せん妄状態を起こしやすい状態)にある「誘因」が加わることで生じると考えるモデル
  「準備状態」+「誘因」=せん妄

○準備状態、誘因
「準備状態」には以下のようなものがある。
 ・認知症等で脳の機能が低下している
 ・身体的な病気が重症のとき
「誘因」には以下のようなものがある。
  ・身体的誘因
        薬剤の内服(抗パーキンソン病薬、抗不安薬、睡眠導入剤等)
  血圧の一時的変動
  心肺機能の低下
  発熱、下痢、脱水状態、貧血、手術直後、飲酒および断酒
 ・心因、環境因
  急激な環境変化、離別、死別、経済的問題、感覚遮断状況(周囲からの  孤立)、睡眠遮断、身体抑制
 
○誘因の検討として、身体救急現場では、AIUEO TIPS用いられる。これは、身体救急現場で、意識障害の原因を見落としがないように考えられた記憶法である。

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