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認知症・高齢期の人が「よりよく生きる」ための支援

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作業療法の視点を多くの人に知っていただき、活用していただくことを目的としたマガジンです。作業療法は「作業遂行」が様々な要因で障害されてしまった人へ、「作業遂行」を取り戻すべく支援… もっと読む
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#評価法

認知症の人の転倒によるADLを予防する新しい転倒予測スコア(みまもりスコア)

参考・引用文献:小室元2010「新しい転倒アセスメントスコア「三森スコア」の開発と検証.ここまでできる高齢者の転倒予防―これだけは知っておきたい基礎知識と実践プログラム―」武藤芳照総監.日本看護協会出版会p140 認知症高齢者は、神経症状をともなうため歩行やバランスの障害をきたしやすく、高次脳機能障害によってもその危険が増す。また、BPSDにより安全に配慮した行動が難しくなる面もある。BPSDの緩和のため向精神薬が用いられることもあり、さらに危険が増す。 以上から、転倒・

認知症の人のケア環境アセスメントPEAPについて

参考・引用文献:児玉桂子他2009「認知症高齢者が安心できるケア環境づくり」彰国社  認知症の人のケア環境のポイントは何か、PEAP(環境評価尺度、Professional Environmental Assessment Protocol )の視点から知ることができます。   PEAPは、アメリカにおける認知症高齢者のスペシャルケアユニットに関する研究のなかで1996年に作成されたもので、日本版が作成されています。それを紹介します。  8つの視点があります。  ①見当識へ

認知症の人と家族の共作業支援尺度

 「共作業」とは、2人以上が互いが主体となって相互作用しながら行う作業のことだが、認知症の人が在宅で生活する場合、家族が介護をする主体となることが多く、その負担感は認知症の人の在宅生活を左右する重要な要素となるため、介護を「共作業」と捉えることで、良好な相互作用となるための作業的課題を、認知症の人、家族、環境の接点から把握でき、介入による改善の可能性が向上するように思った。  共作業支援尺度は、①これまでどのような作業を一緒に行ったか、②過去1か月に行った作業の遂行状況につ

「楽しさ」についての評価法

 「高齢者版・余暇活動の楽しさ評価法」を紹介します。作業療法士により開発されたもので、1で、これまでやってきた余暇活動のなかで、今後もやってみたい一番興味ある、一番楽しい・好きな活動をあげてもらいます。2では、その活動に対してどのように楽しんでいるか、19項目について4件法(とてもそう思う、ややそう思う、ややそう思わない、とてもそう思わない)から選んでもらいます。19の質問は、次のような質問です。この余暇活動は思い出すだけでも楽しい、この余暇活動は、人と話しながら行うのが楽し