見出し画像

ど素人が1時間でそこそこ可愛い萌え絵を描く方法

すべては練習のなかにある。  - ペレ
つまりその…、なんというか…、ようするに、めんどくさいんだ。 -野比のび太

突然だが、ここで一枚の絵をみて欲しい。


画像1

これは僕が昨日描いた絵だ。……そこまで上手くもないけれど、そこまで下手でもない、まずまず可愛い萌え絵。しかしこの絵を僕は描いてはいるが、僕自身の画力がこれを描いているわけではない。

一言でいうと、この絵はほとんどトレースでできている。顔の部分はAIによる自動萌え絵生成ツールであるWaifu Labsで出力し、体はEasy Poserというアプリで出力した3Dのアタリを使って描いている。ちなみに、色味も同じくWaifu Labsで出力した画像から抽出した色で塗っているだけだ。

画像2

顔の部分に使った画像。

画像3

体のアタリに使った3Dモデル。

画像4

色のパレット代わりに使った画像。

ここから顔の画像と3Dモデルを合成したら、あとはただ上からトレースして、抽出した色を塗るだけ。

名称未設定のアートワーク 4

こんな感じで、大体1時間くらいあれば上の絵は作れる。Waifu LabsもEasy Poserも個人利用であれば著作権はフリーだし、Waifu LabsはAIによる自動生成のため、描いたキャラクターが人と被ることもない。ここで例示したような絵は、お絵かきツールとペンタブの基本的な操作方法、それとアプリの基本的な使用法さえ知っていれば、おそらく誰にでも描ける。正面や斜めからの立ち絵であればほぼ同じ方法論でいくらでも生成できるはずだ。

さて、今回僕が試したかったのは萌え絵を描くことのインスタント化が出来ないかな、ということだ。

絵の技術は反復練習によって培われていく、というのはよく聞く話ではあるけれど、どうにも反復というのは時間も手間もかかるので挫折しやすい。世の中によくある絵の練習方法は、確かにある程度確立されてはいるものの、模写や解剖学の理解、色彩のバランス等々、絵のずぶの素人が1から参入するにはあまりに障壁が高すぎるように前々から思っていた。

そもそも「別にプロにならなくても、練習せずにそこそこ上手い絵が描けたらいいなぁ」というゆるいお絵かき願望を持っている人に対して、よくある練習して上手くなる方法はスパルタすぎると言うか、根本的に欲望の方向性が違うんだと思う。お金持ちになりたいなぁ、という人間に勧めるべきは起業ではなく宝くじを買わせることである。真面目に努力できる人、また元々才能がある人には練習の方法を教えればそれで良いのだろうが、多分少なくない数の人々が知りたいのは努力の正道じゃなくて、もっと簡単でそれらしく見せられるための近道なんじゃないかな。

しかしそうした近道を紹介するものってあんまり数が無いよなぁ……という気もしたので、今回のような方法論を紹介してみたくなった。結果として、イラストの経験がほとんど無い人でもまずまずの絵を描けるようになれるような気がするし、こう言うなんの努力もせずにらしくやる方法がもっと増えて欲しいと自堕落な人間としては思うばかりだ。

余談だが、技術によるイラスト補完技術というのは近年目ざましい発展を遂げている。例えば一枚絵から自動でLive 2Dのような動くイラストを生成する技術や、表情差分を生成する技術まで。

Waifu Labsはバストアップのサイズまでだが、確か1年くらい前に全身像を自動生成する技術を作成している人がいた記憶がある。AIが自動で「それっぽい表情やポーズをした萌えイラスト」を生成できるようになるのは時間の問題だろう。

とは言っても、イラストのプロの仕事がこれで奪われる、というようなことは無いと思う。どちらかというとイラストの素人の元にどんどん「そこそこみれるものを作れる技術」が降りてくるというような感覚に近い。SNSで可愛い萌え絵が流れてくるのを見て「お〜こういう風に描いてみたいな」と素人ながら思い、しかし実際に筆を取って描いてみたら紙面に現れたのは人の形をしていないおぞましいナニカ……という経験をしたことがあるオタクは少なくないと思うが、そうした人たちが救われる時代が来たり来なかったりするかもしれないですね(適当)。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?