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映画『地獄少女』は実質コワすぎの新作だった

映画『地獄少女』公開初日に観て来ました。
原作となったアニメ版の『地獄少女』の方はリアルタイムのときにちょろっと観ていた程度だったんですが今回の実写版はあの『戦慄怪奇ファイル コワすぎ!』や、『オカルト』、『カルト』などで知られる白石晃士監督と発表があったときから「こりゃ楽しみだぞ」と息巻いておりました。

映画を観た感想は一言で言うと

「戦慄怪奇ファイル コワすぎ! 【呪いの地獄通信】」

って感じでした。もちろん、『地獄少女』の原作の雰囲気を壊さない範囲なんですがこれまでの白石晃士監督の作品を観ている人からしたら完全にコワすぎなんですよね…!

地獄送りになるシーンは雑コラ空間だし、地獄に行った後も霊体ミミズは出てくるわで完全に白石印の映像。
そして何と言っても登場人物でしょう。
今回の実写版『地獄少女』に登場し、物語を動かしていくフリーライターの工藤仁(演:波岡一喜)は『戦慄怪奇ファイル コワすぎ!』に登場する映像制作会社のディレクター、工藤仁(演:大迫茂生)とまったく同じ役名だし、(キャラ設定はコワすぎの工藤をちょっとマイルドにした感じ)『地獄少女』に出てくる女子高生の市川美保(演:森七菜)も『コワすぎ!』の市川実穂(演:久保山智夏)から引用されてて完全にコワすぎ。

今回の実写版『地獄少女』はフリーライターの工藤が地獄通信、地獄少女を調べて記事にしようと取材をする中、物語の中盤で美保が友達を救うために工藤と手を組むことになるんですがその構造がまさにコワすぎでした。
特に中盤で遥をハイエースして尋問するシーンなんか「コワすぎ 劇場版」の防衛省元幹部をハイエースするくだりを思い出しました…… このシーンだけは明らかに他のシーンと比べてギアを一段階上げた感じでコワすぎそのものだった……
まじでこの映画はアナザー工藤とアナザー市川が出てくるコワすぎのパラレルワールドのお話なんじゃねぇかなと思いました。

結局何が言いたいのかといえばコワすぎは2015年8月の「超コワすぎ!FILE-02【暗黒奇譚!蛇女の怪】」を最後に続編が長らく作られてないんですよね。
その理由として白石監督の近年の『貞子VS伽椰子』(2016)、『不能犯』(2018)、そして今回の『地獄少女』(2019)といったようなメジャー作品が立て続けに公開されてスケジュールがパンパンでコワすぎの撮影に時間が取れなくなっちゃったんですよね。

そこで今回の映画の中で工藤仁と市川美保というキャラクターを登場させて地獄少女の雰囲気も壊さずにコワすぎの新作【地獄通信編】になってるという二重構造がほんとにお見事。5億点。

今回、言ってしまえば原作付きの作品でなんでここまでのむちゃくちゃができたかというと地獄少女の閻魔あいとその使い魔の三藁(輪入道、一目連、骨女の三人)が出てればある程度『地獄少女』という作品になるという担保があったからだと思います。(アニメ版とかも基本的に1話完結で毎回主人公が変わるので。)

ただ、自分は白石監督の映画が好きだから大満足だったけど原作ファンからの感想では閻魔あいだったり三藁の出番が少なかったなんてものもあったりして地獄少女原作ファン側からの感想ももっと聞いてみたいですね。

今回『地獄少女』を観てコワすぎが気になって観てみたくなった方にはヨドバシ.comで「コワすぎ!セット」なるDVD4本セットが売られていてこれが入門におすすめです。FILE1〜4までのセットが定価の80%引きになってます。

とにかく正統な白石ユニバース作品になった今作なのでコワすぎファン(白石ユニバースファン)は今すぐ観に行きましょう…!
純度を上げろ!

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