うそつきの憂鬱

うそをつかない人になりたい。

何を隠そう私はうそつきだ。

欺く嘘、というよりはひらがなのうそ。
言わなくてもいい、誰も困らないのうそをよくついてしまう。

今日何食べました?お住まいそのあたりなんですね、あのお店知ってます?

そんな何気ない、きっと円滑なコミュニケーションのために生まれた投げかけを
私はうそで返してしまう。

パスタですね(ホントはインドカレーを食べた)
いったことないんですよ~気になってて、(気に入って何度も行ってるじゃん!)

そんな風に心の中で自分の肩を叩くけれど
私の口はうそを吐く。

求められた答えを言いたいのか
30代にして溶けきれない自意識がかっこをつけているのか
嫌な癖だな、と自分でもほとほと困ってはいる。

そしてさほど関係性を築けていない人との会話にうそは生まれる。
ごめんなさい、と心の中で呟きながら。
きっと流れるようについたうそはすぐに忘れてしまうから
次に会ったときに全く辻褄の合わないことを言ってしまって
少し呆れられるんだろうな、、なんてことはわかっているのになあ。

うその私は少しだけかっこを付けて
少しだけスタンダードな選択ができて
よそゆきでかっこ悪い。

誰にでもほんとの私を見せれる人になりたい。
切実に。
いつまでも昼ご飯をごまかしながらばばあになったら大変だもの

いっそピノキオのように鼻が伸びればね・・・
良かったとは思わないけれど
そんなことになったら初対面の人の前で鼻がにょきにょき伸びて
恥さらしもいいところだものね

究極は私のうそが出ない人達で
半径5メートルをぎゅうぎゅうに固めればね

不毛な会話も生まれないのでは、とか
また逃げの思考に落ち着いてみたりもするのです。

明日の自分の成長に期待して
私は今日もうそを吐く。

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