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「物語のディスクール」について【ジュネット】

昔まとめた表だが、残っていたので掲載する。

「ディスクール」の「時間・叙法・態」という言葉がわかりにくい。
「時間編集、カメラワーク、文法」と解釈するとわかりやすい。色がついているのが私の補足部分である。

ジュネット4

最後の「文法」は文章固有の問題だと思うが、他の二つは映画編集と映画撮影と解釈するのである。だいたいこういうことが言いたかったのではないか。無論文章に応用もできるが、映画とみたほうが納得は早い。もっとも解釈に自信はない。ジュネットに詳しい人からのご批判待つ。

構成読み解きは表を作成するが、同じように表を作成して物語技法の全体を見通せるようにしているのがジュネットの仕事であるが、しかしこれは、「現在物語という形式が持っている引き出しの数」であって、物語とはそもそも何か、なぜ物語が重要かという話ではない。それはまた別の話である。

同時のこの表で物語が読めるようになるわけではない。文学理論は文学理論であって読解法ではない。読解のための測量点についての議論にはなるかもしれないが、それが有効利用された事例を私は知らない。
そしてほぼ全ての文学理論が、ろくに読解をしたことがない人によって開発されたものであるから、下手に理論を勉強すると逆に読解力は落ちる。影響されるからである。もっとも知見が全てムダという気もしない。将来的に有効利用できる可能性は残る。

私は「キャラ配置戦略」「物語構成」の二つが最も重要な読み解き要素だと思っている。それぞれ「登場人物一覧表」「章立て表」で解析する。物語構造には、現状一本構成(三幕構成)、鏡像構成、反復構成が発見されている。他にあるのかもしれないが発見できていない。劇中劇があると
「入れ子構成」というのも認めて良いかもしれないが、サンプルが少なく確定できない。それらのことも無論、上記表には含まれていない。上記表に含まれているのは、叙述の表層的特徴のみである。



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