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土ねんどって楽しい

公立保育園で造形活動を提供しています。
絵の具や粘土、工作、素材や道具を通して楽しむ事を大事にしています。
造形活動を行う保育時間の提案でもあります。

粘土といえば

普段、保育園で園児が使用しているのは油粘土です。みんなのお道具箱に入っていて、遊びが選べるときに子ども自身が準備して出すことができます。最近では油粘土と樹脂粘土のハイブリット型の乾燥しなくてすぐに遊べて比較的柔らかい素材などがあります。しかも、油粘土と言ってもあの酸化した油のいやなにおいが今はほとんどありません。私が子供の時、粘土は大好きだったけれど、油粘土の匂いが手に残るのがダメで、毎週木曜日の水泳の教室の日だけ油粘土で遊ぶというこだわりを持っていました。プールに入ったら、手についた粘土の匂いが気にならなくなったからです。
訪問している保育園から粘土を使いたい、という希望があった場合、私は土ねんどを持参しています。いろんな材料を触ってもらいたいのと、土ねんどは感触や硬さがコントロールできるからです。

保育士さんも楽しい土ねんど

土ねんどはその名の通り素材が土でできています。大地の粘土層から掘った土と水、そして砂を混ぜてできています。土ねんどを使ったときは、まるで泥遊び。そんな楽しさに溢れます。どろんこが自由自在に動かせるようになる、そんな魔法みたいなことが起こったら楽しいですよね。それに、夏場であれば水を使って水遊びに応用できます。みんな大好き水遊び。
粘土を触りながら保育士さんたちも、懐かしいような癒されるような、そんな感想が出てきました。何にも作らなくていいんです。大きな塊を指で押す感触、指の間をねん土がすり抜ける感覚、握ったねん土が押し出される感覚、ただただ触るだけでいい。癒しアイテムとしてスクイーズが流行るのもうなずけます。

保育園に持参するときの準備

土ねんどを保育園に持って行く時は、事前に「柔らかい」「少し硬い」2種類の触り心地ができるように事前に水分調整しておきます。残す作品を作るわけではないので、感触重視です。特に小さいお友達と遊ぶときは小さな握力で変化できるようにしています。

さわった時の「つめたいね」

特にこの時期の粘土は冷たい!だってお外が冷たいからです。土ねんどは土と水でできています。ずっと暖房の利いた部屋で保管しているならそれほど冷えないでしょうが、基本冷暗所に置いているのでこども達と遊ぶ時にはすっかり冷えてしまっています。
ちいさなお友達が土ねんどを触って「つめたいね」と驚くと、「なんでかなぁ?なんでだと思う?」と聞いてみます。答えを期待しているわけではないので、しばらくしてこれは土とお水でできているから、お外の自然(環境)に近くなるんだよ、今日は寒い?温かい?というようなお話をさせてもらっています。

造形とは名ばかり?

造形活動で粘土をしませんか?と、保育園でお話していますが、土ねんどを使うと「造形活動<感触遊び」になります。ご指導することはほとんどなくて、保育士さんに材料の扱い方とか、片付けを楽にする方法とか、触れない子たちへのアプローチを少しお伝えするような現状です。造形とは名ばかりの感触遊びの時間の提案のようになっています。土があって水があって、こども達には最高の遊び道具だと思うのです。その中でこども達から鼻唄の一筋でも聞けたら、私は最高だと思っています。
もちろん、テーマや具体的なものを作りたいという要望もお伺いしています。その時は油粘土のような慣れた素材の方が作りこみやすいので、そちらでいかがでしょうか?というご相談もさせていただいています。


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