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「カゴの小鳥」という曲

written by 大江友海

これは2、3年くらい前に書いたんだけど、演奏せずしまってたのを思い出してみた曲です。
歌詞の内容は、小鳥(わたし)がカゴの中であなたが来るのを待ってるってお話。人によって「あなた」について捉え方が違くて、それを聞くのを楽しみにしているから、詳しく説明しませんね。かわりに曲を仕上げていったときの話を。

この曲に限ったことはいんだけれど、翔くんと一緒にやる中でやり易いのがお互いの「無くていいものは要らない」という姿勢。世の中によくある「Aメロ→Bメロ→サビ、2番も同じ構成で、もっかいサビやって〜、、、」みたいな定型にはまることなく、必要なだけ音と言葉がそこにある潔さが、すごく丁度いい。
「you&i…?」っていうサビの部分、ほんとは歌詞もメロディーももっとあったんだけど、翔くんに渡したときに、細部まで覚えられなかったのか内容を半分くらいにして適当に歌ってたのをきいて、ああそれでもぜんぜん伝わるじゃん!と思い、採用しました。

録音は、テストテイクすらないほんとの1回だけ。この曲が唯一。
1回やって「これでいいでしょう」って言う赤須翔。自分の曲じゃないからってこのくそやろう!と一瞬思ったけど、考えてみればたしかに、やりなおしたとして、そこはうまくいっても、ほかで納得いかないことがでてきて...、って、「完璧さ」でみたらみんな同じようなものになるのかなと思った。

翔くんの大らかさには、実はすごく影響を受けました。
わたしは超がつくほど真面目な性格で、なんでもつい突き詰めがち。子どもの頃から人と同じようにできないことばっかり悩んでばっかりだったけど、大人になって、彼のような気の開いた人にたくさんあえて、やっとのやっと、これがわたしなんだから、堂々とこれでいけばいいんだと思えるようになったこの数年。もっとありのまま力抜いてないとね。と、数十年生きたところでやっと気づきました。笑

いつもわたしに「うますぎ(てダメ)、ちょっとくらい調子悪いくらいでいいよ」と言う赤須翔、今思えば、そういうところを察知しての「これでいいでしょう」な気がするし、そうだったらすごいなあ。

音程もリズムも、機械の正確さに比べれば完璧には程遠いんだろうけれど、これがいまのわたしで、足掻いた結果のかっこ悪さも、ちったぁ好きになれたテイク。
書いたとき、なんかどこか気に入らなくてしまっておいた曲だったけど、二人で仕上げたら、誰かが自分のために書いてくれた曲みたいに好きになれたことが、すごくうれしかった曲。

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